1. アンケート調査のまとめ 小児救急分野でトリアージを行う看護師の教育体制の現状と課題を明らかにすることを研究目的として、2010年1~2月に実施した、小児救急医療における看護師トリアージを行っている全国113施設を対象としたアンケート調査のまとめを行った(第25回小児救急医学会演題申請済み)。これによると、看護師トリアージを実施する看護師に資格基準あるのは19.4%、またトリアージ看護師を育成するための院内研修制度ある施設は19.4%といずれも低率であった。以上のことから、各施設におけるトリアージ看護師教育システムの構築が急務であると結論付けた。 2. 順天堂大学浦安病院救急外来へのCTAS導入とカナダ研修 CTAS(シータス)とは、Canadian Triage and Acuity Scaleの略称である。カナダにおいては10年ほどの運用歴を有する「救急患者緊急度判定支援システム」で、カナダ救急医学会のホームページで一般公開されており、ダウンロードが可能である。わが国では、2010年、CTASの翻訳版が導入、日本版JTASの開発が行われた後、各医療機関のデータベースへの参加が開始となった。そのため、2010年6月、順天堂浦安病院救急外来においてもPC2台による本システムの試験導入が開始となった。CTASの試験導入に当たり、カナダ・アルバータ大学で行われているCTASプロバイダーコースに参加(2010年9月)してそのシステムの特徴を学んだ。アルバータ大学では本コースを設置してトリアージナース養成を実施しているが、これを受講する事により、今後に予定しているトリアージナース教育支援プログラム開発の為の参考になると考えた。
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