研究概要 |
1.対象者:平均年齢32.96(R19-44,SD6.132)歳。正職員と未婚者が多かった。 2.妊娠・子育ての気がかり:個人的因子、家族的因子は関連がなかった。気がかりと、その対処とは相関があり(r=.315, p<.000)、気がかりのある人ほど対処していた。妊娠について相談する人がいる人は、いない人に比べ対処得点が高い傾向があった(t=-1.879, p=.063)。妊娠・子育ての気がかりについて因子分析の結果、4因子が抽出され(寄与率57.14%)、第1因子「障がい児を産み育てることへの不安」、第2因子「自分の病気が妊娠・胎児に影響することへの不安」、第3因子「親となること・子育てに対する支援への不安」、第4因子「妊娠しにくさと流産への不安」と考えた。 3.妊娠の計画性:いずれ妊娠したい人が多かった。個人的因子2つと関連があった。1つは婦人科系疾患でこれに罹患したことがある人は、ない人に比べ、すぐ妊娠したい人が多く、いずれ妊娠したい人は少なく、妊娠したくない人が多かった(χ2=11.943, p=.003)。2つ目は経済的安定感で安定感のある人は、ない人に比べ、すぐ妊娠したい人といずれ妊娠したい人が多く、妊娠したくない人が少なかった(χ2=6.847, p=.033)。妊娠の相談要求のある人は、ない人に比べてすぐ妊娠したい人、いずれ妊娠したい人、妊娠したくない人のすべて多い傾向があった(χ2=5.572, p=.062)。妊娠の計画性と妊娠・子育ての気がかりは関連がなかった。 4.社会制度やサポートの希望:社会制度やサポートの希望は、妊娠・子育ての気がかりと相関があり(r=.318, p=.000)、気がかりのある人ほど社会制度やサポートを希望していた。また、年齢と負の相関がみられ(r=-.294, p=.001)、年齢が若いほど社会制度やサポートを希望していた。
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