研究課題/領域番号 |
22592522
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
横山 寛子 東海大学, 健康科学部, 教授 (30143150)
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研究分担者 |
石井 美里 東海大学, 健康科学部, 准教授 (10276660)
辻 恵子 東海大学, 健康科学部, 講師 (30338206)
溝口 満子 東海大学, 健康科学部, 教授 (40149430)
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キーワード | 遺伝看護職 / 遺伝相談 / 遺伝相談外来 / 遺伝診療部門 / 出生前診断 / チーム医療 / 職種間連携 |
研究概要 |
1.今年度の研究内容 本研究グループは、前回に引き続き遺伝相談件数で最も多い出生前診断を軸にして遺伝看護職の実践的機能の現状とそのチーム医療における施設内連携および施設外連携の現状を把握し、その問題点を明確にしながら出生前診断における遺伝相談のケアの質の向上を図ることを目的にした。そこで、遺伝診療部門を開設した施設が急増していることから、看護職の参入状況も平成10年の調査結果と比較検討したいとも考えた。具体的には、遺伝診療部門のシステム変化と職種間連携の状況および施設外との連携の現状を把握し、今後の遺伝看護職の役割を検討したいと考えた。したがって、全国の遺伝診療部門を有する施設に、医師および看護師各1名に調査用紙を送付し調査を行った。 2.研究結果 遺伝診療部門への看護師の参入状況は、42.9%と平成10年に比較し4倍に達しているが、未だ看護師半数は、看護師の参入がない現状にある。また、そのスタッフの位置付けは専属ではなく、他の業務が優先されており、事前カンファレンスや学習会への看護師の参加は半分程度であった。また、職種間連携については、医師は専属の有無にかかわらず、看護職とのチーム連携はとれていると評価している者は2割程度であり、現状では遺伝医療のチーム医療は理想の状況のようであった。さらに、施設外連携における看護師からの情報提供については、80.0%が情報ないとの回答であった。このように、遺伝医療の連携については、近年看護職の参入が増えその役割りが明確化されつつあるものの、チーム医療の中でその役割を充分には発揮できるような状況にはないことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝診療部門の開設は急増するものの、遺伝専門医が所属の変更を行うことなどから、住所録の修正や確認作業に手間取った部分がある。また、研究時間の確保に苦慮したことなどから、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究の最終年度にあたるため、出生前診断の職種間連携に関するクライエントのニーズ把握を行うことを予定している。この調査を実施し、遺伝診療部のシステムの現状及び遺伝医療チームの施設内連携および施設間連携、さらにはクライエントの連携に関する認識を把握することで、今後の看護職の役割および遺伝診療部門の対応について検討し、まとめとしたいと考えている。
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