本研究は、正常経過の妊産褥婦にケアを提供する助産所における妊娠期の助産診断および診察技術を明らかにすることを目的としている。2011年10月~2012年9月に計7回のフィールドワークおよびインタビューと実施した。研究参加者(以下、参加者)は、助産所を開設してから約20年のA助産所の管理者で助産師としての経験は50年以上である。助産所では年間30件前後、超音波検査を用いた初診の妊婦健康診査を実施している。データ収集は、フィールドワークを元にインタビューを実施し、逐語録に起こし、テーマに沿って帰納的に分析し、カテゴリを抽出した。抽出されたカテゴリ(【】で示す)は以下の通りであった。ガイドラインに基づいて業務を行うには正期産であることが必須であるため、【分娩予定日は正確でなければならない】。予定日は嘱託医師と協働して決定するため、【超音波検査の所見による誤差を最小にする】。最終月経と超音波検査それぞれから起算した予定日が合わないときは、【最終月経と超音波検査の所見が合わない原因を探る】。【経産婦の前回の妊娠・出産を詳細に確認する】【健康な女性の妊娠・出産は規則的であることが基本】であった。
|