研究課題
産後うつについて研究が多々行われている中で、本研究は、同じアジア圏でありながら、歴史や文化、国情の違う日本とタイの妊婦・褥婦に同じ調査を行い比較をした。また、産褥うつにつながる事柄を明確にするとともに、先行研究で明らかになっている事柄を、より具体的に浮彫りにしてみようと試みた。共同研究者の打ち合わせについては両国間でメール交換を頻回に行い、さらにタイの共同研究者1名を含めた研究メンバーによる研究の進捗状況について、本学で合同会議を開催した。本年度(24年度)の研究成果は当大学紀要5号に応募し掲載された。以下に要約を記す。日本とタイの妊婦(日本320人、タイ160人)、褥婦(日本289人、タイ160人)について、うつ状況とその関連要因を検討した。対象者の年齢は日本の場合、妊婦30.7歳±5.0、褥婦30.4歳±5.1、タイの場合、妊婦24.9歳±6.7、褥婦24.9歳±5.9であった。うつ状況の測定にはCES-Dを用いた。関連要因として、ストレス(PSQ)、自尊感情(RS-E)、ソーシャルサポート(MSPSS)について、各尺度を用いて検討した。CES-D(うつ)の平均得点は、日本妊婦12.6±7.7点、日本褥婦12.8±7.8点、タイ妊婦17.9±8.5点、タイ褥婦20.7±8.6点となり、タイの方が妊婦、褥婦とも有意に高くなった。カットオフポイント16点以上をもってうつ状態スクリーニングをすると、日本妊婦31.2%、日本褥婦33.2%、タイ妊婦58.8%、タイ褥婦75%がスクリーニングされた。日本もタイも、妊婦・褥婦とも、うつとストレス、自尊感情、サポートとの間には有意の相関が認められた。タイ国における学会及び論文発表として共同研究者2名らと研究代表者による学会発表及び論文投稿がある。日本とタイの研究者による発表論文は3年間の成果報告を製本し、関係施設へ配布した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
佐久大学看護研究雑誌
巻: 5 ページ: 5-20
ISDN
Journal of Mental Health of Thailand
巻: 20 ページ: 28-36
Thai Journal of Nursing
巻: 61 ページ: 15-20
http://saku.repo.niiac.jp/