研究課題/領域番号 |
22592532
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
奥山 朝子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 准教授 (20465800)
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研究分担者 |
森 美智子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (10248966)
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キーワード | 小児がん患児 / 学校生活 / 連携 / 級友 |
研究概要 |
【研究1】亡くなった学童期の小児がん患児がもたらした級友への影響を明らかにすることは、級友への周囲の大人の関わりに役立つと考える。現在成人期にある3名の級友の調査から、以下のことが明らかとなった。患児との入院前からの【親密さ】、【強い結びつき】と入院中のつながりの維持により級友は患児をクラスの一員として、仲間として意識している。患児の死に直面した級友の心情は、【衝撃】、【悲しみ】であり、多くの人々の支えにより【生と死の意味づけ】ができている。級友は【命の尊さ】、【健康の大切さ】に気づかされ、患児は級友の【心の支え】、【人生の伴奏者】、【忘れられない存在】として影響を及ぼし【進路への影響】が示唆された。 【研究2】学校と医療との連携のために小・中学校の教師・養護教諭(SNs)・スクールカウンセラー(SC)を対象に質問紙調査を実施。小児がん患児の担任として経験した教師は約1割、SNs約3割と学校関係者の経験者は少なかったが、以下の事柄を結果として導いた。1.入院による患児の籍移動があっても自分の学校の児童生徒と捉え、入院中の学習の遅れに対して日々の学習や長期の休みを利用して約8割の教師は学習支援するとしている。2.復学後の患児の健康管理に関する知識について6割以上の教師・SNsが不足を感じるとしている。3.復学後の患児との関わりで「患児・家族の入院中から復学後の心理状態」の理解について不足を感じるとしている。4.教師.SNs.SCいずれも学校内での情報共有・連携して関わることを必要とし、SNsは学校内ではチームで対応することを望んでいる。7.学校側は医療者への要望の中で学校との連携、連絡体制の確立を望んでいる。8.担任経験のある教師は学校との連携のためにコーディネーターとしての役割を看護師に望んでいることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究1】は、7月に行われるに第22回日本小児看護学会で、抄録:が採択され発表予定である。 【研究2】は、日本小児がん看護学会に抄録提出予定である。 今年度の調査は7月に予定しており、11月には結果を出したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
小児がん患児がスムーズに復学し学校生活を送ることができるためには、本人と家族、学校関係者と医療者それぞれからの調査によりサポート体制を考えていくことが重要である。これまで小児がん経験者・その家族、平成23年度は学校の教師・養護教諭・スクールカウンセラーからの調査結果と級友からの調査結果を得た。 今年度は医療者を対象とした調査を実施し、小児がん患児の学校生活における望ましいサポート体制の確立に向けていく。
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