研究課題/領域番号 |
22592533
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研究機関 | 日本体育大学女子短期大学部 |
研究代表者 |
岡本 美和子 日本体育大学女子短期大学部, 幼児教育保育科, 教授 (70435262)
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キーワード | 子育て支援 / 縦断研究 / 情緒的動揺 / 子どもの泣き / 両親学級 / 介入研究 / 児童虐待 / ネットワーク |
研究概要 |
養育者による児童虐待に至る直接的誘発要因の1つに、乳児期における子どもの泣きが関連しているといわれている。母親が情緒的動揺を引き起こす原因不明の子どもの泣きは、出産後2週頃に出現し3ヵ月過ぎまで頻繁に認められる。本研究の目的は、初産婦を対象に妊娠中から出産後早期にかけての子どもの泣きへの対応を含めた人的ネットワーク調整のための子育て支援プログラムを構築することである。支援プログラムを構築するにあたっては、妊娠中の両親学級及び出産後の育児学級を利用して、先行研究を参考に申請者が考案した看護介入を実施し、その後3ヵ月過ぎまで縦断的に調査するものである。調査は、支援プログラムの利用効果として、子どもの泣きに直面した母親の情緒的動揺の変化、出産後必要とされる有効な支援の獲得等について質問紙よって調査を行った。その調査結果を分析・評価することで、本研究の目的である子育て支援プログラムを作成するものである。 介入内容は、(1)子どもが泣くことの意味と成長に伴う泣きの変化とその特徴についての説明、(2)泣きへの具体的な対処方法の紹介、(3)パートナーの役割と、共に子育てすることの重要性について認識し合う、(4)子育て地縁作りとして親子が集うクラスの紹介、(5)子育て支援に繋がる社会資源の紹介、(6)出産後の疲労軽減のための方策の説明等である。以上6点を中心に本調査用に作成した冊子を使用しながら看護介入を実施した。調査では、調査協力の得られた初産婦を対象に、両親・育児学級参加と非参加の両群に自作の質問紙を郵送した。郵送時期は、両親学級参加後1週間、出産後3週、3ヵ月頃とした。非参加群に対しても参加群と同時期に質問紙を郵送した。現在、同様の内容でデータを収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した研究期間は3年間の予定である。1年目に看護介入のための冊子を編集し、2年目で調査用の質問紙の作成、調査対象施設での倫理委員会への申請、調査開始後は縦断研究を3年目にかけ継続的に実施するという計画であるが、現在のところおおむね予定通りの実施状況である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度からの引き続きで、今年度も調査を継続する。回収したデータについては全て数値化入力し、その後そのデータをもとに分析を行い、その結果を参考に看護介入の効果について総合的評価をする。また、その分析結果をもとに子育て支援プログラムを改善・修正する等してより効果的なプログラムの構築を図る予定である。
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