研究概要 |
23年度当初計画では、壮年期の男性データを追加し、幅広い対象に対して有効な尺度項目の特定を検討予定であったが、回収が遅れていた尺度項目確定のための調査データを追加し解析した結果、36項目、3つの下位尺度を持つ尺度案が、健診データ(BMI、拡張期血圧、HbA1c)との有意な関連を示したため、今後の研究の進め方について、専門家に研究方法のチェックと助言を求め、36項目を抽出していた質問項目を更に絞り込み、現場での活用の簡便化を図ること、テスト再テスト法による安定性の確認は不要、地域の軽度の糖尿病要指導者等への質問項目としては妥当な項目と考える、等の助言を得た。 そのため、当初計画とは進行状態が異なってはいるものの、23年度は尺度項目を絞り込み、地域での保健指導に使いやすい尺度案への開発を進めた。 活用時の簡便性を重視し、尺度項目として、20項目まで絞り込み(運動7項目;因子負荷量0.96~0.77、認識6項目;因子負荷量0.84~0.62、食習慣7項目;因子負荷量0.82~0.57)をした場合、回転前の3因子で20項目の全分散を説明する割合は60.8%であり、3因子の因子間相関は、運動と認識0.47、運動と食習慣0.49,認識と食習慣0.54と互いに有意な正の相関を示した。 内的整合性を検討するためのα係数を各下位尺度ごとに算出した結果、運動0.95,認識0.89,食習慣0.87と内的整合性が高いと考えられた。しかし、前段階までの本尺度の強みであった健診データとの関連性分析において、有意な関連が消失した項目もあり、尺度としての説明力や内的整合性は高く保っているものの、基準関連妥当性の面で選定項目及び項目数の確定のため、引き続き慎重に検討を重ねる必要がある。
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