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2012 年度 実績報告書

地域で行う妊産婦とパートナーを対象とした禁煙サポートプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22592542
研究機関岐阜大学

研究代表者

纐纈 朋弥  岐阜大学, 医学部, 助教 (40457114)

研究分担者 後閑 容子  摂南大学, 看護学部, 教授 (50258878)
石原 多佳子  岐阜大学, 医学部, 教授 (00331596)
玉置 真理子  岐阜大学, 医学部, 助教 (00377681)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード喫煙 / 妊産婦 / パートナー / 禁煙サポート / 保健師
研究概要

喫煙習慣を持つ女性にとって妊娠は禁煙を考える機会となり禁煙する女性も多いが、出産後に再喫煙する女性も多く再喫煙防止が課題となっている。先行研究から産後の女性の喫煙行動にはパートナーの喫煙が最も影響していることが明らかとなり、産後の再喫煙を防止するためには、女性に加えパートナーを含めた禁煙サポートの必要性が示唆された。本研究の目的は産後の再喫煙を防止するために、妊産婦とパートナーを対象に地域で行う禁煙サポートプログラムを開発することである。
本年度は、研究協力機関である岐阜県G市において地域で禁煙サポートを行う保健師、助産師、医師等のスタッフをコアメンバーとするワーキンググループを立ち上げ禁煙サポートプログラムの検討を行った。検討にあたり、前年度に実施した妊娠・出産のプロセスを通した妊産婦とパートナーの喫煙行動と関連要因に関する調査結果を基に、介入者、介入時期、介入内容、介入方法を検討し禁煙サポートプログラムを作成した。
次に、禁煙支援者である保健師・助産師の禁煙サポートスキルの向上を目的に研修会を行った。研修会実施前には全禁煙支援者に対し、禁煙サポートに対する考え方、認識、重要度・自信度についてインタビュー調査を行った。今後、禁煙支援を通しての禁煙支援者の成長についてはインタビュー調査にて明らかにしていく計画である。
妊娠判明時のパートナーの喫煙行動として最も多かった屋外、ベランダ、換気扇下での喫煙について、これらの方法では受動喫煙を防止できないことを粉塵濃度測定とレーザー光源可視化装置を用いて検証した。この結果を基に、家庭で受動喫煙防止を推進するために、受動喫煙防止啓発用教材としてDVD(吸いたくないよ。赤ちゃんと妊婦をタバコから守ろう)を作成した。DVDは、母子健康手帳交付時に全妊婦が視聴を行い、パートナーや家族が視聴できるようDVDノ配布を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり、研究協力機関であるG市において、健康課保健師・市民病院助産師等をメンバーとするワーキンググループを立ち上げ、地域で実践可能なプログラムを検討することができた。プログラムは、前年度に実施した妊産婦とパートナーを対象とした喫煙行動と関連要因に関する調査結果を基に介入時期、介入内容、介入方法を検討し作成することができた。プログラムの試行実施に向け、プログラムの実施体制の整備、評価指標、評価方法を検討した。
受動喫煙防止啓発用教材であるDVDの作成は、当初の計画にはなかったが、前年度に行ったパートナーに対する調査結果から作成するに至った。妊娠・出産はパートナーにとっても喫煙習慣を見直す機会となるが、多くの男性は禁煙よりも分煙を選択し、妊婦の目の前で喫煙しなければよいと考えている人が多かった。これらの方法では受動喫煙を防止することができないことを視覚的に分かる教材を用いて教育を行う必要があり作成を行った。
禁煙支援者へのサポートは、当初の計画にはなかったが、禁煙をサポートする保健師・助産師のサポートに対する重要度・自信度を高め、スキルを高めていくことを目的にセミナーを実施した。支援者のサポートに対する不安、サポートに対する困りごとについてインタビュー調査にて明らかにし、それに対するサポート方法を検討した。

今後の研究の推進方策

本年度は禁煙サポートプログラムの試行実施とその評価、禁煙支援者に対するサポートを行う。
禁煙サポートプログラムは、研究協力機関であるG市において、平成25年3月1日~平成26年3月31日までに妊娠届け出を提出した全妊婦とパートナー約350組を対象とし、妊娠判明期から、出産、出産後10か月まで保健師、助産師が協働して介入を行う。具体的には全妊産婦に対する喫煙・受動喫煙に関する情報提供、女性に介入しパートナーの喫煙行動の変容を図る、禁煙者に対する禁煙継続のためのサポート、喫煙者に対する禁煙サポートの提供である。プログラムの効果は、母子健康手帳交付時、乳児健診(3-4か月児健診)、1歳6か月児健診時に妊産婦とパートナーに無記名自記式質問紙調査を実施し、介入前の喫煙率、喫煙に関する知識・態度と比較しその効果を検討する。
禁煙支援者に対するサポートについては、継続してセミナーを実施する。また、プログラムの実践を通した、禁煙支援者としての成長をプログラム実施前後で、インタビュー調査を実施しその効果を明らかにしていく。調査の結果は質的帰納的に分析を行い、禁煙サポートプログラムの改善に役立てていく方針である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 妊娠判明後のパートナーの喫煙行動の変化と関連要因2013

    • 著者名/発表者名
      纐纈朋弥
    • 雑誌名

      日本公衆衛生雑誌

      巻: 60 ページ: 212-221

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 禁煙の場はどの範囲が適切か2012

    • 著者名/発表者名
      大和浩
    • 雑誌名

      Heart View

      巻: 16 ページ: 58-62

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 家庭における受動喫煙曝露状況に関する調査2012

    • 著者名/発表者名
      纐纈朋弥
    • 雑誌名

      保健師ジャーナル

      巻: 68 ページ: 518-523

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 受動喫煙(2次喫煙)の罪2012

    • 著者名/発表者名
      大和浩
    • 雑誌名

      日本胸部臨床

      巻: 71 ページ: 664-674

    • 査読あり
  • [学会発表] Smoking behavior of partners of the women's pregnancy2013

    • 著者名/発表者名
      纐纈朋弥
    • 学会等名
      3rd International Public Health Nursing Conference
    • 発表場所
      Ireland
    • 年月日
      20130826-20130828
  • [学会発表] 家庭における受動喫煙曝露状況に関する検証2012

    • 著者名/発表者名
      直井千鶴
    • 学会等名
      日本公衆衛生学会
    • 発表場所
      サンルート国際ホテル山口
    • 年月日
      20121025-20121025

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公開日: 2014-07-24  

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