今年度は、まず、(1)児童生徒の健康実態の基礎データの収集を実施した。児童生徒に対する血液検査と日常生活習慣等質問紙調査について、各学校の養護教諭が中心となって実施した。平成22年度の血液検査は、学校で通常実施している貧血、コレステロール、ヘモグロビンAlc(中学生)等を検査し、身長、体重のデータから体格指数を計算した。日常生活習慣等質問紙調査についても記入してもらった。その結果、小学5年生は男女共に過体重の割合が増し、テレビゲームの時間が延伸し、甘い食べ物・スナック菓子の摂取頻度が多く、運動不足の傾向であった。中学2年生は、HbAlcの値が男女共に上昇し、甘い食べ物・スナック菓子の摂取頻度が多く、夜食の摂取者が増加した。 次に(2)児童と保護者の血圧・脈拍測定実習および生活習慣病予防の授業を2校の小学校で実施した。授業は、養護教諭、栄養士を中心に校長、教頭、担任など学校の教職員、役場保健師、大学教員で協働で行い、マンシェットの巻き方等測定に関する手技や測定結果からの気づきについて巡回しながら助言をした。生活習慣病と動脈硬化、日常の生活習慣等との関連について児童と保護者に対して科学的かつ実態調査に基づいて説明した。血圧・脈拍測定結果や血液検査結果および日常生活習慣等質問紙調査における親子の相関について説明すると共に適切な生活習慣について家族で気づき、実行可能で具体的な改善策を考えることができるように声かけを行った。その結果、子どもたちからは、「親と子どもで似ていることがわかった。」「大人になって生活習慣病にならないように今から気をつけたい。」、保護者からは、「健康や食生活について親子で一緒に勉強できてよかった。」「実際に血圧を測定したりして、ただ話を聞くだけよりも楽しく参加できた。」との感想があった。 これらの結果を踏まえて、さらに親子を主体とした健康教育になるよう創意工夫して実践したい。
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