研究課題/領域番号 |
22592558
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
泊 祐子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (60197910)
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研究分担者 |
道重 文子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (00274267)
竹村 淳子 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (00594269)
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キーワード | 医療的ケア / 看護師 / 他職種との関係 / ケア技術 / 看護の専門性 |
研究概要 |
平成23年度は、前年度の東海・近畿地区質問紙調査の結果をみると、医療的ケア充実のための体制は整備途上であり、(1)関係者の理解を促進する必要性や(2)雇用問題が明らかになった。また全国調査でも看護師の8割が非常勤雇用である。そこで本研究では、看護師が医療的ケアを行う上で、雇用形態から生じている問題とそれへの対応を明らかにすることを目的とした面接調査を実施した。 平成22年度調査時に面接調査時に依頼をした面接調査に同意の得られた方である。面接は、電話とメールで時間と場所を調整し個別に行った。面接内容は、「学校での看護ケアを行うのに困難と感じている一番大きな問題はなにか。困ったとき、解決にどのような対応をしたのか」である。 本年度の分析は、面接参加者のうち9人分となった。勤務学校は、看護師配置が常時3人は1校、常時2人は2校、常時1.5人は1校、残りは常時1人の勤務であり、研究参加者全員が非常勤の身分で1年更新の制度であった。面接方法は、直接面接が2人、電話での面接が7人であり、面接時間は最短32分から最大90分であった。学校での経験年数は1年~6年であった。分析の結果以下のことが明らかとなった。 看護師が遭遇している問題は、 (1)1年間の勤務時間に制約があるために生じる困難である。具体的には、週のうち2,3日の勤務であると子どもの症状の変化を観察して全体像の把握ができにくいことである。 (2)校外学習などで看護師が重複して勤務すると年間の勤務時間調整のために、送迎時の保護者と会う時間を削らざるを得ず、担任教員等に伝言してもらうが、保護者に情報の意図が伝わりにくい問題であった。 (3)勤務時間が短いために医療的ケァの必要な子どもの問題でも養護教諭が判断し、その内容について専門的観点からは判断が異なると思うこともあるが看護師の意見が反映できないことがあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
看護師面接が、後数件残っているが進んでいること,保護者等の希望についてのデータを得ることが同時に本年度可能であると考えるためである。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査内容と本年度の調査を元に、関係職種の連携、直接ケア技術の内容と病態・症状への看護師のアセスメントの分析視点によって分析を進める。調査のために分担者を必要としたので、平成24年度は1名分担研究者を増やした。 また、特別支援学校看護師が必要な学校において他職種と連携しながら、重度障害児の看護をする上での技術を明確にし、学校での基盤づくりのための研修プログラムの検討も予定している。
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