研究課題/領域番号 |
22592560
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
和泉 京子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (80285329)
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研究分担者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (90364033)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学部, 助教 (50508794)
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キーワード | 健康格差 / 社会経済格差 / 生活習慣病予防 / 介護予防 / 国民健康保険 |
研究概要 |
本研究は、国民健康保険加入者の特定健康診査の受診の有無別に身体・心理・社会的状況の実態およびかかる医療費・介護給付費を明らかにし、社会経済格差による健康格差をふまえた壮年期の健康づくりから高齢期の介護予防までを継続的に支援する方略を開発することを目的とした。 研究1 40~74歳の国民健康保険加入者の身体・心理・社会的状況の実態調査研究 平成22年度にO府A市140~74歳の国保加入者である21,101人への郵送による質問紙の悉皆調査を実施した結果、8,632件の回収を得られた(回収率40.7%)。23年度は、身体・心理・社会的状況の実態について、調査項目毎に統計ソフトにて集計・分析を行った。 研究2 特定健康診査受診状況、介護保険制度利用状況および医療費と介護給付費の調査研究 研究1の対象21,101人の特定健康診査受診状況、介護保険制度利用状況および医療費と介護給付費について、A市の国民健康保険主管課および介護保険主管課の研究協力者が研究1の対象者番号に応じて転記した。 研究1と研究2の統合 研究1、2の対象21,101人の対象者番号をもとに、研究1と研究2のデータの同定を行った。特定健診の受診群と未受診群の2群間の身体・心理・社会的状況、介護予防事業利用状況、医療費、介護給付費の比較、社会経済状況別の身体・心理・社会的状況、特定健診受診状況、介護予防事業利用状況、医療費、介護給付費の比較を行った。 結果、経済的ゆとりのない者に特定健診未受診、生活習慣不良、体調不良にも関わらず受診予定のない者が多かった。また、特定健診未受診者に介護予防事業の利用意向なしの者が多かった。支援には、経済的ゆとりがないと考えられる者を特定健診受診状況や医療情報、所得等をふまえて検討するとともに、家庭訪問等により生活実態を把握して壮年期からのハイリスクアプローチにつなげる必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定したスケジュールに沿って、研究1、2とも順調に進み必要なデータ収集および分析を行えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度には、研究2について、さらに平成22年度の特定健康診査受診状況、介護保険制度利用状況および医療費と介護給付費の調査研究を対象者番号をもとに、データの統合を行い、平成23年度と同様に分析を行う。 平成23年度、24年度実施の経年的な分析結果から、社会経済格差の実態、健康格差の実態を明らかにし、社会経済格差による健康格差をふまえた壮年期の健康づくりから高齢期の介護予防までを継続的に支援する方略を検討する。検討にあたっては、研究者と研究協力者であるA市の国民健康保険主管課および介護保険主管課が協働し て行う。 さらに、研究者と研究協力者であるA市の国民健康保険主管課および介護保険主管課職員、検討結果により情報の共有と連携の必要性が認められる関係課等で研修会を開催し、支援する方略の実施に向けた協議を行う。報告書を作成する
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