研究課題/領域番号 |
22592561
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (20321276)
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研究分担者 |
成瀬 和子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (70307122)
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092)
岡本 玲子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60269850)
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キーワード | 生存権 / 健康格差 / 公衆衛生看護 / 保健師 |
研究概要 |
H23年度は、年度当初の計画としては、現場の保健師からのインタビューにより保健師の生存権を守る活動内容について明確化する予定であったが、研究者間で検討した結果、現在既存の文献(活動事例、本等)で示されている事例から活動のプロセスおよび要素を抽出した後に、その妥当性の調査を実施することに計画を変更した。 H23年度の実績は、既存文献(活動事例、本等)から、生存権を護る活動の分類、活動のプロセスおよび要素を抽出した。結果は以下のとおりである。 1.生存権を衛る活動の種類には3つのタイプに分けられた。(1)個別事例への支援に終始する活動(例:乳幼児虐待等への支援)、(2)個別事例の支援から地域の仕組みを変えていく活動(難病事例からネットワークづくり、森永ヒ素ミルク等)、(3)地域全体の課題から地域全体の仕組みを変えていく活動(例:乳幼児死亡率を低下させる活動など) 2.事例から抽出された活動のプロセスには、(1)活動の中から潜在する課題に気づく・察知する、(2)保健師の気づきを取組べき健康課題として浮き上がらせる、(3)課題の原因や背景を明らかにする、(4)解決の糸口をつかむ。(5)共通する課題を持つ者をつなぐ、(6)住民へ課題に関する正しい知識を提供する、(7)保健師間で課題の状況な内容について確認する、(8)キーとなる職種と連携し課題を共有化する、(9)住民を代弁し、課題を公に示す(10)公的な対策を講じて解決を図る(11)長期的な経過を観察し、寄り添うがあった。さらに全過程に一貫して行われていたこととして、(12)事例に寄り添い個別に支援する、(13)保健師が関わる信念を持つ、である。(下位項目は省略) H24年度は、これらの内容の妥当性について調査を行い、活動指標を作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度、研究代表者が、交付申請時には予測しなかった業務が生じ(国際学会の事務局長および大学からの在外研究者として海外への派遣)たため、昨年度に予定していたスケジュールに遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題遂行のために、現在調査計画について検討している最中であり、共同研究者間のディスカッションを行っているところである。研究者間の役割分担を明確にし、迅速に調査を進める予定である。今年度は、研究を遂行する上で問題となるような予定外のスケジュールはないため、遂行可能であると考えている。
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