研究概要 |
<研究目的>起立性調節障害(ODとする)・不定愁訴を持つものが青年期以降の大学生に至っても多い。近年の深夜型の生活習慣による睡眠障害とメンタルヘルス・及び自律神経動態(BRSとする)の関連性を明らかにし、母性をもつ女子大生の健康づくりの課題を明らかにする。<調査方法・研究対象者>調査目的に同意を得た対象者に自記式調査票を行い、男女538名から回収、解析を行った。538名の中から同意の得られた33名を臥床から起立後の体位変換前後の連続血圧計測を行った。倫理的配慮として、調査票は無記名、学内倫理委員会の承認を得た。調査期間は平成22年7月~9月、平成23年6月、連続血圧計測は平成22年11月~平成23年7月とした。解析は不定愁訴の有無と血圧・心拍数・ BRS値を臥床から起立後の1・3・5分後の値として解析し、t検定を行った。また血圧・心拍数・ BRS値と睡眠衛生(ESS、PSQI)、月経前症状(PMIP)、精神衛生(GHQ)等との検定も行った。使用機器(Jentow7700,オムロンコーリン) <結果>①OD・不定愁訴は女子で34.5%と多かった。②睡眠は男子と比較して女子の方が量質ともに悪かった。③女子ではOD不定愁訴を持つものに朝食抜きが多く近年の女子の痩せ志向を象徴していた。④OD不定愁訴有を持つ女子の睡眠衛生は無と比較すると悪かった。⑤OD有は無より精神衛生も悪かった。⑥OD有無で臥位から立位・1・3・5分後の差の検定では、心拍数の1・3分で有意の差あり。BRSでは立位・3分に有意の差があった。BRSとESS・PSQIには認められなかった。<まとめ>今後、女子大生期において、生活習慣の確立と心身の健康づくりは次世代育成の観点から重要な取り組みと考える。本研究では継続してOD不定愁訴と睡眠、連続血圧計測結果の関連性・健康支援評価について解析中である。
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