平成24年度は、1.幼児期の発達障害児の障害特性に合わせた個別健康教育の指導基準を策定することから集団および個別健康教育による肥満予防教育プログラムを構築すること。2.発達障害児の日常生活活動量や運動に関するデータ収集およびデータ分析を行うこと。3.特別支援学校と特別支援学級におけるそれぞれの肥満指導プログラムの開発を目的として研究を行った。 結果、1.平成22年度から23年度に実施した調査結果から、入眠困難や睡眠持続困難などの「睡眠障害」や偏食などの「食行動異常」が多く見られ保護者が対処困難を感じていることや、先行研究から発達障害児は感覚異常を持つ児が高率であることが明らかになった。そして、乳幼児期の発達障害児の治療として感覚統合療法が有効であることから、感覚統合理論に基づく発達障害児の個別指導プログラム指標の試行に至った。2. 日常生活活動量や運動に関するデータ収集は、学童期の発達障害児の肥満の増加と共に一般児童の2分の1から3分の1の活動量であるという状況が見られたが、途中、協力研究者の都合によりデータ収集が遅延しており、更なるデータの収集およびデータ分析が必要である。3.特別支援学校と特別支援学級における肥満指導プログラムの開発に関しては、特別支援学校においては、発達障害児への個別支援方法について対応が進んできているが、特別支援学級や幼稚園においては発達障害の把握自体も遅れていることから、平成25年度以降○市教育委員会からの依頼により、幼稚園および特別支援学級における保育士や養護教諭と共に発達障害児の健康状態の把握やその特徴による関わり方と、保護者支援も視野に入れた指導内容や指導方法について、共同研究を進めていくこととなった。平成25年度は発達障害児の特性と関わり方について幼稚園職員への教育支援および効果検証を実施する予定である。
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