研究課題/領域番号 |
22592570
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研究機関 | 山陽学園大学 |
研究代表者 |
千田 好子 山陽学園大学, 看護学部, 教授 (10216559)
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研究分担者 |
中尾 美幸 山陽学園大学, 看護学部, 准教授 (00316126)
林 由佳 山陽学園大学, 看護学部, 講師 (20553978)
福川 京子 山陽学園大学, 看護学部, 講師 (30554216)
中田 涼子 山陽学園大学, 看護学部, 助教 (80554229)
伊丹 古都絵 山陽学園大学, 看護学部, 助手 (60554251)
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キーワード | 感染対策 / 地域ネットワーク / 手指衛生教育 |
研究概要 |
感染拡大を防ぐ最重要手段のひとつである、手指衛生行動に関する地域住民の実態調査から、地域に根ざした正しい手指衛生教育の必要性が明らかとなり、対象別(学区連合町内会の住民、中学校生徒、小学校児童、幼稚園園児)の効果的手指衛生教育プログラムを作成した。それを基に地域住民への手指衛生教育を実施し、その効果を検証した。 幼稚園児には紙芝居による手洗いの意義・方法を説明した後、手洗いチェッカーによる洗い残し部位を確認し、細菌学的検査(パームスタンプチェック)も併用した。小学生以上の対象にはプリントによる説明の後、手洗いチェッカーによる洗い残し部位を確認し、細菌学的検査を実施した。細菌学的検査では、小・中学生は1回目より2回目の手洗い後に、コロニー数が増加した者が多かった。全体の除菌率が-4.1%であった中学生に対し、手指衛生教育後に教育前と同じ「手洗い及び感染予防に関する質問紙調査」を実施し、中学生の認識の変化から、教育効果を検討した(配布・107名、回収率90.7%)。手洗いを実施する場面では、帰宅時、トイレ後など9場面とも教育前より教育後の実施率が高く、食:事前(教育前44.4%・教育後63.9%)では有意差を認めた。また手洗いの理由、手洗い方法とも教育前に比べ、教育後の方に高い評価が得られ、一応の教育効果が認められた。しかし、有意差を認めた項目は少なく、また半年前に我々が実施した手洗い教育を覚えている生徒は7割に満たなかった。以上から、感染対策地域ネットワークによる、継続的手指衛生教育の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年間の調査結果を基に、3年目(今年度)の最終目的である感染対策地域ネットワーク構築のための研究準備ができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、地域住民による「感染対策地域ネットワーク」の組織化を支援し、「感染対策地域ネットワーク」による地域住民への普及啓発活動を行う。さらに「感染対策地域ネットワーク」の取り組み、エンパワメント向上に関する調査を実施する。
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