研究課題/領域番号 |
22592579
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
上山 真美 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (90451723)
|
研究分担者 |
内田 陽子 群馬大学, 大学院・保健学研究科, 准教授 (30375539)
小泉 美佐子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (50170171)
|
キーワード | 看護学 / 膀胱留置カテーテル / 排尿障害 |
研究概要 |
本研究の目的は、捧王留置カテーテル抜去後の排尿障害について、看護師レベルで活用可能なアセスメント・ケアガイドを作成し試行によりその有用性と妥当性を検証することである。 今年度は、昨年度作成した膀胱留置カテーテル抜去後の排尿障害についてのアセスメント・ケアガイドの原案を、排尿に関する専門家および臨床の看護師からの意見を反映させ修正を行った。修正では、専門家の意見を取り入れることによって根拠に基づいた正確さを重視した。一方では、臨床の看護師の意見を取り入れることで、活用しやすさの工夫について配慮した。 今年度の介入は、一般病院で上記修正版に沿って研究者がスタッフと共に行った。1人の対象に対する介入期間は、膀胱留置カテーテル留置の適応のアセスメントから抜去、抜去後の排尿状態に合わせたケア実施までの約五週間とした。対象は、膀胱留置カテーテルを3日以上留置している者とした。排尿状態の評価は、排尿日誌による排尿状態のモニタリングと泌尿器科医師による膀胱内圧測定等により行った。結果、対象は、50代以上の高齢な方で脳血管疾患を発症した者が多く、何らかの排出障害がみられた。介入は、修正版の膀胱留置カテーテル抜去後の排尿障害についてのアセスメント・ケアガイドに沿い、個人の排尿障害に応じて間欠導尿などのケアを行った。その結果、膀胱留置カテーテルから離脱し自立できた者と間欠導尿の継続が必要な者といたが、コンチネンスの状態は、両者共に保つことができた。膀胱留置カテーテルを抜去した後、排尿障害が起こると一般的に再留置されそのまま留置が継続しやすい。膀胱留置カテーテルの継続使用は、尿路感染を引き起こすだけでなく、行動を制限し生活への支障や退院への悪影響も及ぼす。そのため、膀胱留置カテーテルが抜去できコンチネンスの状態を維持できることは意義深い。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね、平成23年度に計画した内容を実施することができたためである。その内容は、以下のとおりである。 平成23年度は、昨年度の試案結果をもとに作成した、膀胱留置カテーテル抜去とその後のアセスメント・ケアガイド原案の修正を予定通り行った。修正については、専門家の意見や臨床看護師の意見を反映することができた。また、一般病院の患者を対象に、修正版の膀胱留置カテーテル抜去後とその後のアセスメント・ケアガイドに沿って数例の実施も行った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、昨年度の介入結果をもとに、修正版の膀胱留置カテーテル抜去とその後のアセスメント・ケアガイドおよび手引書の洗練化をはかる予定である。ここでは、専門家の意見や実際に使用した看護師の意見を取り入れていく。また、症例数を重ねるため、アセスメント・ケアガイドを用いたケア介入を引き続き行い評価していく。その他、県内の別施設で介入の試行を予定している。
|