研究課題/領域番号 |
22592583
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
平松 知子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (70228815)
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研究分担者 |
泉 キヨ子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207)
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系, 教授 (60190089)
谷口 好美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50280988)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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キーワード | 高齢者 / 転倒予防 / 足部の形態 / 足底圧 |
研究概要 |
22年度に高齢者の足底圧を検討した結果、足指圧の3パターンを抽出し、既に明らかにされている転倒要因と比べて足指圧パターンと転倒との関係が強いことを明らかにした。そこで、23年度は、22年度の結果を検証するために、足底圧に影響を与える可能性が予測される足問題について、以下の2段階で検討を行った。 1.日常生活の自立した地域高齢者105名(74.6±6.3歳)を対象に足問題の聞き取り調査を実施し、転倒との関係を検討した。足問題ありの者は61.0%を占めていた。主な足問題は、胼胝(43.8%)、外反母趾(40.6%)であり、複数の問題を有する者が多かった。さらに、転倒との関連では、足問題あり群では過去1年間に転倒経験ありの者が多い傾向を認めた。以上から、高齢者の足底圧を転倒を予測する足部機能評価指標とする場合、足問題を詳細に検討する必要性が示唆された。 2.次に、姿勢の安定性に影響を与える足問題について、文献検討および運動生理学の専門家から意見をきき、足部機能評価指標項目および条件について検討した。その結果、足部の形態が姿勢の安定性に影響することに注目し、足部の変形と足底圧の実態について、承諾を得たA健康教室の体力測定結果を用いて予備調査を行った。足部の変形は足弓部と足指部に大別した。足弓部は土踏まずの形状について、フットプリントを用いて土踏み土踏まず比から偏平足と非偏平足に分類された各10名を比較した。偏平足は、非扁平足と比べて、転倒との関連が強かった足指パターンを示す者が多かった。足指部はフットプリントを用いて、外反母趾角15度以上をカットオフ値とした。外反母趾の30名は転倒との関連が強かった足指パターンを示す者が多かった。また、足指圧を指毎にみると、拇指以外の指にかかる圧が高かった。以上、足部の変形が転倒と関連する特徴的な足底圧パターンを示す可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
高齢者の転倒を予防する足部機能評価指標の抽出に時間を要している。姿勢の安定性に関与する足底圧に注目して検討を進め、独自のパターンを見出したが、指標となるためには例数が不足している。また、足底圧に影響すると予測される足部の形態に関する先行研究が少なく、形態と足底圧の関係について検討を深めている。
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今後の研究の推進方策 |
地域高齢者の転倒を予防する足部機能評価指標について、足指圧に絞り、足弓部と足指部の変形の有無別に足指毎の圧を検討し、信頼性と妥当性を高め、安全・簡便に、タイムリーに数値化できる指標を明らかにする。さらに、これを高齢者自身の評価指標とした教育プログラムを立案する。
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