研究課題/領域番号 |
22592585
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研究機関 | 園田学園女子大学 |
研究代表者 |
大西 香代子 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (00344599)
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研究分担者 |
北岡 和代 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
中原 純 大阪大学, その他の研究科, 助教 (20547004)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 倫理的悩み / 倫理的感受性 / バーンアウト / 質問紙調査 / 国際情報交換(フィンランド) |
研究概要 |
本研究は、バーンアウトにつながるとされている倫理的悩みが倫理的な感受性の高さと関連している、即ち、存在する倫理的問題に気づくからこそそれに悩むことを検証し、さらに、倫理的悩みを感じていてもバーンアウトに至らないようにする方策を検討することを目的としている。平成24年度は、日本での調査結果の分析を進め、フィンランドでの調査を実施し、その結果も踏まえて検討を行った。 日本での調査結果からモデルの検証を行ったところ、倫理的悩みは倫理的感受性、特に「倫理的強み」と強く相関しているが、それがそのままバーンアウトにつながっているわけではないこと、倫理的悩みによるバーンアウトは一般的なコーピングによって低下しないことがわかった。この結果についてはオックスフォードで開かれた学会にて発表した。 また、フィンランドでは988名の精神科看護師を対象に日本の調査と同様の質問紙調査を実施、523名から回答を得た。日本の結果と比較すると、フィンランドの看護師のほうが、倫理的悩みの3因子すべてにおいて有意に低い平均点を示し、バーンアウトの平均点も有意に低かった。しかし、倫理的強みの平均点は日本より有意に高く、倫理的強みと倫理的悩みは、日本の結果とは異なり、ほとんど相関がなかった。 これらの結果から、日本では倫理的なケアを行う能力があると自負している看護師のほうが倫理的悩みを強く感じ、バーンアウトする傾向にあるが、フィンランドでは倫理的感受性が高くても日本ほど倫理的悩みを感じず、バーンアウトもしていないと言える。職務効力感(バーンアウト尺度の中の下位尺度の一つ)が、フィンランドではるかに高く、このことが、倫理的悩みやバーンアウトの低さに影響していることが予測される。通常のストレスコーピングではなく、職務効力感を高めることが必要と考えられる。研究助成期間は終了したが、今後さらに詳しく分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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