研究課題/領域番号 |
22592591
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
永田 千鶴 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (50299666)
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研究分担者 |
北村 育子 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70310034)
本郷 秀和 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (90405556)
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キーワード | エイジング・イン・プレイス / 認知症高齢者 / ケアモデル / 地域密着型 |
研究概要 |
高齢者が、たとえ認知症になっても尊厳を保ちながら"エイジング・イン・プレイス:高齢期になっても住み慣れた地域・自宅、あるいは施設で継続した生活を送る"を果たすケア・サービスのあり方を明らかにするために、平成23年度は、地域密着型サービスの中でも、地域密着型介護老人福祉施設(以下、地域密着型特養と称す)における、(1)認知症高齢者ケアのあり方、(2)看取りまでを支えるケアのあり方について調査した。得られたデータの質的分析により、「エイジング・イン・プレイスを果たす認知症高齢者ケアモデル-地域密着型介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)編-」を作成し、その妥当性を検証した。 ケアモデルは、【終末期ケア・看取りを支える】【ユニット型の特徴をいかす】【地域密着型としての機能をいかす】【安定した運営をする】の4つのカテゴリー、15のサブカテゴリー、70のケアサービス項目で構成された。70のケアサービス項目の因子分析の結果により、上記4つのカテゴリー、14のサブカテゴリー、61のケアサービス項目に修正した。この修正版ケアモデルの信頼性係数の測定と、因子分析を再度行ったところ、内的整合性、因子的構成概念妥当性を確保した。 「エイジング・イン・プレイス」を果たすとは、「看取り」までかかわることを意味する。特養は、終の棲家とされるが、地域密着型特養において「看取り」は今後の課題とする事業所が少なくない。ケアモデルの【終末期ケア・看取りを支える】は、<利用者・家族の意向に添う><協働する体制を整えて医療ニーズに対応する><職員の力量を高める><安寧な最期を迎えられるように関わる><限られた医療での終末期ケア・看取りへの理解を得る>の5つつのサブカテゴリーで構成された。この5項目は、地域密着型特養での「看取り」の課題であり、ケアモデルに基づく教育プログラムの作成を視野に入れたい。 本研究の意義・重要性は、作成したケアモデルの妥当性を得たことで、ケアモデルを活用する手段の一つに、教育プログラムの作成が挙げられ、今後の研究の展開が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域密着型サービスの3つの種別のうち、昨年度の小規模多機能事業所、今年度の地域密着型特養について、調査、質的分析、ケアモデルの作成、妥当性の検証を終えている。平成24年度は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)について、調査を終え、ケアモデルの作成、妥当性の検証となる。
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今後の研究の推進方策 |
質的分析に時間を要するため、役割分担を適切に行い、研究を進める
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