研究課題
本研究は、(1)要介護高齢者の献体を用いた組織形態学的実験研究により、足の皮膚・爪の内部組織・形態の特徴を明らかにする。(2)施設高齢者を対象とした通年の縦断的調査研究により、足の皮膚・爪の健康状態の特徴とその影響要因を明らかにすることを目的としている。組織形態学的実験研究については、実験の準備として、予備実験と実験方法の検討、文献検討を行なった。予備実験では、解剖学の研究分担者とともに皮膚組織の光学顕微鏡標本の作製・観察を行なった結果、爪甲については通常の固定、脱水、パラフィン包埋では硬く、切片を作製できなかったが、骨の脱灰処理法を固定の後に入れる事によって作製する事が出来、ヘマトキシリン-エオシン染色や放線菌の染色法の1つであるPAS染色が可能となった。現在は、皮膚の観察部位・範囲を検討しており、最終決定した後、光学顕微鏡での観察を行なう予定である。縦断的観察研究については、対象者への予備調査をした結果、体表温度の測定において、測定時間によって温度変化があった為、一定の結果を導き出すことが困難であったが、適度な条件の設定などの工夫の必要性が明確になった。現在、温度計を変えて調査方法の再検討している段階である。研究協力施設に関しては、研究者が実習指導のために協力いただいている施設に依頼予定である。現在は、今後調査が長期間に及ぶことを踏まえ、次年度に行なう予定の実施内容(対象の選択・条件設定など)を協力施設と密に協議しプロトコールを作成している段階である。