研究課題/領域番号 |
22592593
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
國吉 緑 琉球大学, 医学部, 教授 (80214980)
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キーワード | 施設における高齢者虐待防止 / 高齢者虐待防止のための教育 / 施設ケア / 沖縄県 / グループインタビュー / 市民 / 介護施設 / 施設従事者 |
研究概要 |
本研究は、沖縄県介護保険施設における高齢者虐待防止に対するさらなる体制構築を目指し、施設における労働環境やそれに附随するメンタルヘルスおよび施設ケアの実態を明らかにし、施設ケアのあり方、高齢者虐待防止のための教育プログラム開発について示唆を得ることを目的としている。今年度は、市民の目線でボランティア活動などをされている民生員および介護相談員に対し、集合形式でグループインタビューを実施した。インタビューのテーマは「高齢者虐待防止のさらなる体制づくりを目指して」を目的とし、これまでの研究結果から得られた情報等を共有し、施設ケアのあり方や高齢者虐待防止をするための予防策や予防するためにはどのような教育が必要かなどについて自由に発言してもらった。実施するにあたっては、事前にグループの代表者に本研究の目的について説明し同意を得た後、任意のもと、参加者を募った。実施場所は、グループ活動の場所とし、そこに集まっていただき、再度本研究の説明を文書と口頭で行なった。同意書に署名をした後、先述の内容でグループインタビューを開始した。また、参加者の許可を得て、ICレコードに録音を行った。インタビュー終了後、任意でアンケート(性別、年齢、活動、職歴、介護経験、自由意見)への回答を求めた。グループインタビューは2回実施し、参加者は全体で9名であった。概要として、次のことが聞かれた。利用者や家族に対する職員の言葉遣いが気になる、利用者がナースコールを何度か押しても即対応してもらえない、など職員の対応に対することなどが不適切なケアにつながる。高齢者虐待の予防・防止を考える上で、職員の研修や教育のあり方が重要(実践にいかせる研修をすべき)。組織のトップ・管理者の方向性・考え方が職員に対する教育やケアにも影響しているし高齢者の虐待防止においても重要な要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画に挙げていた市民活動グループに対して調査を実施することができたことより、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、県内の41自治体における高齢者虐待防止体制の取組、特に施設内虐待防止に対して独自の取組状況についてアンケート調査を実施する予定である。また、計画していた施設職員に対するグループインタビューから、これまでの調査結果に対する意見、施設の高齢者虐待に対する独自の取組などを含めた内容のアンケートあるいは半構成的インタビューに変更する。最終年度なのでこれまでの調査の補完・追加調査を実施する。
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