研究課題/領域番号 |
22592594
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
藤井 博英 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 教授 (60315538)
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研究分担者 |
宇佐美 覚 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 講師 (20289763)
牟田 能子 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部, 助教 (30465801)
入江 良平 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (60193702)
大和田 猛 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (90194323)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 自死遺族 / グリーフワーク / 民間信仰 / イタコ / サポートシステム |
研究概要 |
本研究の目的は、自死遺族のグリーフワークにおいて、青森県に特徴的な民間信仰である「イタコ」や「カミサマ」のどのようなサポートが悲嘆を乗り越えることができたかを、対照群として「イタコ」や「カミサマ」のサポートを受けていない自死遺族の悲嘆からの回復過程と比較することでより明確にしていくことである。 「イタコ」を利用した群の対象者7名は、全員が女性で平均年齢50歳代であった。「イタコ」を利用しなかった群の対象者は5名で、うち3名が女性、2名が男性で平均年齢は50歳代であった。 グリーフワークを促進する因子としてのテーマは、それぞれ以下の通りであった。イタコを利用しなかった群では、【役割と責任】【心の解放・依拠】【ソーシャルサポート】【家族の再生】【呪縛からの解放】【経験の社会化】の6つのテーマが導出された。イタコを利用した群では、【心の浄化】【個人の生き様への共感】【故人による加護の実感】【故人との繋がりの実感】【相互の赦免の獲得】【生きることへの託宣への獲得】の6つのテーマが導出された。 その、グリーフワークを促進する因子の相違は、ソーシャルサポートの有無であった。「イタコ」を利用した自死遺族はそれまでソーシャルサポートを受けていなかった。「イタコ」を利用しなかった自死遺族は、その経験を自死遺族の会に活用していた。「イタコ」が死者の霊を呼び出し減税の人間に語りかけることは、近代科学の常識ではあり得ない。しかし、自死遺族は、その精神的危機のまっただ中にあって超越的他者の口寄せによって、自死者との再会や繋がりを希求し、その交流によって様々な力を獲得し、グリーフワークを促進していた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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