研究課題/領域番号 |
22592601
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
坪井 桂子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (80335588)
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研究分担者 |
沼本 教子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00198558)
小野 幸子 宮城大学, 看護学部, 教授 (70204237)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 高齢者 / 新任期 / 教育支援 / 看護師 / 高齢者ケア施設 / 療養型医療施設 / 介護老人保健施設 |
研究概要 |
1. 療養型医療施設における教育支援の準備:療養型医療施設においては、H22年度に実施したプリセプター、看護主任、看護師長との集団面接の結果を分析し、4年目以降の到達目標の構成要素を抽出した。さらに、その内容を教育責任者、副看護部長、副院長と検討し、「高齢者看護の実践能力を育成する教育支援プログラム」(坪井2009)(以下教育支援プログラムと記す)とすり合わせ、クリニカルラダーI~IVの試案を作成した。 2. 介護老人保健施設における教育支援の実施・検証:介護老人保健施設においては、学士課程を卒業した新任期の看護師に教育支援プログラムに基づいた支援をH22年4月よりH25年3月まで実施した。研究者が定期的に新任期の看護師とその指導者に面接し、高齢者看護の実践能力の修得状況を評価し、取り組みが必要な課題を整理し、実践に活用できるよう支援した。H24年度は、3年間の教育支援の検証を行い、教育支援モデルを構築するための要素を抽出した。 3.教育支援プログラムの特別養護老人ホームへの導入準備:学士課程卒業者の就業予定がある特別養護老人ホームにおいて、施設長、看護責任者等3名に面接調査を実施し、教育支援プログラムを導入する際に必要な要件を明らかにした。 4.海外(ロンドン、コペンハーゲン)の高齢者ケア施設の看護の知見をふまえた、新任期の看護師の教育支援の検討:学士課程卒業者の高齢者ケア施設における教育システム構築のために必要な内容・方法の示唆を得るために、 H23年度にロンドン、コペンハーゲンの先駆的施設の教育支援に関わっている老年看護学の教授、施設長(看護師)、看護管理者に面接調査を実施した。これらのデータを分析し、我が国における高齢者ケア施設の看護師の教育支援に適用できる内容を抽出した。さらに、上記結果をコミュニティケア(坪井他2012,小野他2012)に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、高齢者ケア施設(療養型医療施設、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム) をフィールドとして4年間の予定で実施している。3施設のうち、学士課程卒業者の就業があった介護老人保健施設においては、3年間の教育支援をほぼ計画通りに実施し、データを集積できたことから、概ね順調に進展していると評価した。 残る課題としては、療養型医療施設における教育支援プログラムを導入し支援を開始すること、特別養護老人ホームにおいては、学士課程卒業者の就業はまだみられないため、就業支援も含めて教育支援のあり方を検討することが挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は最終年度にあたるため、以下の4点を推進する。 1.療養型医療施設における教育支援の実施・検証:療養型医療施設に卒業直後に就業した学士課程卒業者を対象に教育支援を実施し、指導者、新人看護師の高齢者看護の実践能力の修得状況を面接し評価する。さらに、面接結果を教育担当者、研究分担者と共に検討し、教育支援プログラムの導入を評価、検証する。 2.介護老人保健施設における教育支援の検証:平成22年度~24年度に介護老人保健施設において実施した新任期の看護師の教育支援のデータを分析し、教育支援のあり方を検証する。 3.特別養護老人ホームにおける教育支援プログラムの導入および就業支援の検討:学士課程卒業者の就業を前向きに検討している特別養護老人ホーム3施設の施設長、看護責任者3名、学士課程を卒業し高齢者ケア施設に働いている若手看護師2名と共に学士課程卒業者の教育支援のあり方を検討する。特に、就業前研修の導入等、就業支援について検討する。 4.学士課程卒業者の高齢者看護の実践能力の育成のシステムの構築の検討 本研究の4年間のまとめとして、療養型医療施設、介護老人保健施設、特別養護老人ホームの教育担当者による会議を実施し、学士課程卒業者の高齢者看護の実践能力を育成するシステムの構築に必要な要件の最終合議を得る。
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