研究課題/領域番号 |
22592608
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
水主 千鶴子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (30331804)
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研究分担者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (40168018)
上松 右二 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (90223502)
内海 みよ子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (00232877)
岩原 昭彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (30353014)
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キーワード | 過疎高齢化集落 / 高齢者 / 孤立 / 孤独死 / 学生 / 介入モデル |
研究概要 |
平成23年度は、過疎高齢化集落に居住する一人暮らしの高齢者と学生の交流回数は、高齢者全体に対しては5回、介入群の高齢者に対しては密な交流を5回実施した。 高齢者全体に対しては、平成23年4月の早期体験実習や7月健康診断、10月の村祭りと運動会、平成24年3月の交流会を実施した。早期体験実習では、新入生82名が高齢者宅を訪問し、高齢者から話を聞くなかで地区の歴史や高齢者の日々の暮らしについて学んだ。高齢者は、訪問した学生と一緒に食事をともにすることで孤独感が一時的ではあるが減少した可能性がある。7月に健康診断を実施した時は、高齢者と学生は久しぶりの再会をともに喜んだ。健康診断の結果は、地区担当の保健師から伝えられ、疾病の早期発見や早期治療に役立ち、疾病管理が可能になり、一人暮らしの高齢者は安心して地区に住み続けることができている。平成23年度は、この地区の孤独死はゼロであったことから、疾病の急変による孤独死防止に役立ったと考える。村祭りでは、学生は高齢者とともに伝統行事であるもち投げのもちを作った。学生は高齢者から伝統文化について学び、高齢者は教育者としての役割を果たし、自尊上心を高めることができた。補助金で購入した折り紙で定期的な折り紙教室を各集会所で実施し、高齢者同士の交流を図った。雪のため冬季の交流が途絶えた3月の交流会は、高齢者が互いの無事を確認し、精神的健康が向上した。 介入群に対しては、学生が2か月に1回程度家庭訪問を実施し、生活支援の実施や交流をはかった。学生の訪問後に、高齢者同士の電話や家庭訪問による交流が活発になっている。学生の訪問がよい刺激となり、高齢者同士が結びつきを強めていることがわかった。11月以降は文通を希望する10名の高齢者と学生の文通が始まった。文通によって高齢者の思いや生活を知ることができ安否の確認となった。これらの取り組みを継続することにより、高齢者の孤立が解消し、孤独死の防止につながっていくと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一人暮らしの高齢者全体に対する取り組みも介入群に対する取り組みも順調に実施できている。 最終年度である今年度は、9月に最後の調査を実施し、3年にわたる学生の介入の成果をまとめる時期となる。
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今後の研究の推進方策 |
先進的な過疎地域の活性化の取り組みについて学び、地区に取り入れられるものを導入できるように提案していきたい。
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