研究課題/領域番号 |
22592622
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
小長谷 百絵 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (10269293)
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研究分担者 |
水野 敏子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (01053305)
坂井 志麻 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (40439831)
林 みつる 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20300402)
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キーワード | 胃瘻 / 半固形栄養剤 / 経管栄養注入補助装置 / 実用化 / 介護職 / 医療的ケア / 特別養護老人ホーム / 経管栄養剤注入のトラブル |
研究概要 |
胃瘻からの経管栄養法には、液体栄養剤の粘稠度を増すことによって半固形化し、短時間で注入する方法がある。この半固形栄養剤を短時間で注入する方法は、誤嚥性肺炎の発生の減少や下痢の改善、胃内Phの正常化、血糖の安定などが認められている優れた方法である。このように半固形栄養剤は利用者にとっての利点が多い一方で、約20000cpという粘稠度のために、栄養剤のパックから栄養剤を絞りだすための介助者側の労力は大きい。そこで、昨年度は半固形栄養剤注入用補助装置、「パッくん」を考案しその使用感と安全性を確認する調査を行った。23年度は「パッくん」の特許を申請し(特願2011-199960)、さらに日本経腸静脈栄養学会でyounginvestigator賞を受賞した。「パッくん」の台数を増やし、実際の患者さんにも使用してもらうなど、実用化に向けて紙上などでも公表予定である。 またもう一つの研究の軸である、特養の看護師を対象とした半固形栄養用法のトラブルに関する調査は一昨年のインタビュー調査において、看護職が半固形栄養剤を注入するときの手から伝わる感覚から利用者の身体状況をアセスメントしながら実施していることが明らかになった。平成24年度より「社会福祉士法及び介護福祉士法施行規則の一部を改正する省令」に伴い、都道府県単位での介護職への50時間の研修によって利用者への胃瘻からの経管栄養の実施が可能となる。この変革は看護職の利用者への観察力やアセスメント能力がさらに要求されるために、23年度は全国調査に向けて調査用紙を作成し、倫理委員会の承認を得て、特養の看護師においてプレ調査として調査用紙の確認を行い調査用紙の洗練に努めた。その結果、調査では看護師のアセスメントの過程について詳しく調査する必要があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究の目的は、簡便で安全な半固形栄養剤の注入補助装置の開発と普及、また半固形栄養剤注入時の看護師によるアセスメントを抽出して教育に反映させることであった。現在、注入補助装置を開発し、在宅の場で実際に使用してもらい使用感などを確認している。また特許も申請した。さらに特養の看護師の経管栄養における利用者の状態観察や注入時の注意などをインタビューによって調査し、それをもとに質問紙を作成し倫理委員会の承認を得ている。
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今後の研究の推進方策 |
半固形栄養剤の注入補助装置については、今後HPなどを作成して普及を図る予定である。 特養の経管栄養の実態調査と看護師のアセスメント調査は今後無作為抽出にて全国調査の予定である。
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