研究概要 |
平成22年度は共依存関係に焦点をあて虐待予防のための看護ケア内容の特徴をアディクションアプローチの枠組みに沿って分析し,看護ケアプログラムの基盤となるアセスメントおよびモニタリング項目を精選することを目的とした。調査対象者は、共依存関係にある主介護者と被介護高齢者を受け持っており,経験年数5年以上の訪問看護師とし、調査機関を十条訪問看護ステーション、訪問看護ステーションたんぽぽ、訪問看護ステーションホームケア練馬の3施設で実施した。 第1段階として調査対象者を訪問看護師とともに選定し、第2段階で共依存チェックリストおよび虐待チェックリストを用いて選定を確定した。第3段階は選定された事例の訪問看護経過記録、訪問看護指示書、訪問看護報告書からデータを収集し、不足情報や再確認情報などは訪問看護師へインタビューを実施し、データの正確性に努めた。 16組の被介護高齢者と主介護者の訪問看護経過記録などからデータ収集をした結果、うち実子が10名であった。次男が3名、長男4名と男性が占めた。実子全員が被介護高齢者を寝たきりにさせたくないと発言しており、居宅介護サービス機関、特にショートステイなど被介護高齢者の介護をゆだねなければならない施設への拒否が強かった。訪問看護師は「こういう状態だから~事が考えられる。…ので様子みてよいorこうしてください」と確実に返答するか、「わからなければ確認して後ほど連絡する」、「このようにしたらいかがでしょうか」と提案する。あいまいな言動の介入はしないことであることがわかった。さらに実子は、自分でやる(看る)という気持ちが強く頑固なため不適切な介護への訂正が入りにくい。しかし不安な部分は多々あるという一面もみられた。看護ケアプログラムの基盤となるアセスメントおよびモニタリング項目を精選したため、平成23年度は、看護ケアプログラム試案をもとに介入する計画である。
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