研究課題/領域番号 |
22592623
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
難波 貴代 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (00453960)
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キーワード | 高齢者虐待 / 共依存関係 / 看護ケアプログラム / 主介護者 / 被介護高齢者 |
研究概要 |
本研究は、アディクションアプローチの枠組みから看護ケア内容の特徴を把握し、アセスメント項目を精選し看護ケアプログラムを開発することを目的に実施してきた。 平成23年度は、平成22年度の結果を踏まえて、高齢者虐待における共依存関係にある主介護者および被介護高齢者への看護ケアプログラムの試案を作成した。看護ケアプログラムの試案のアセスメント項目として、教育プログラムの時期には「主介護者が被介護高齢者の病態理解の有無」「主介護者の不適切な介護は、被介護高齢者の身体状態にどのくらい影響を与えているか」、行動修正期には、「被介護高齢者は、主介護者の行うケアに快を覚えているか」、関係洞察期には「どのような状況、状態のときに虐待行為となるか」などがあげられた。看護介入は「講義形式で一方的に主介護者へ伝えず、提案型にする」「サービス担当者会議には、初期から参加してもらう」「サービス担当者会議では、主介護者および被介護高齢者ができる部分およびできない部分はどこか」などがあげられた。 上記の結果から、連携研究者の3名の研究者および研究協力者である訪問看護師から、看護ケアプログラム内容の検討および解析をした上で、修正および追加を行った。 修正および追加を行った看護ケアプログラムについて、平成22年度に同意の得られた共依存関係にある主介護者および被介護高齢者について、看護ケアプログラムの看護介入を平成24年度に実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
高齢者虐待における共依存関係に焦点をあてた主介護者および被介護高齢者を対象とする研究であるため、事例抽出に困難を呈する部分もあるが、臨地の訪問看護ステーションと連携をとり、看護ケアプログラムの看護介入を共依存関係にある事例に実施することができている。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者虐待に焦点をあてた研究であるということから、倫理的な側面などから同意の得られる事例が少なくなる可能性がある。しかし、なるべく平成22年度に同意が得られた事例に対し看護介入を実施し、事例数を増やしていく。また他県でも同様の事例がいた場合、看護介入を実施してもらえるよう調整をはかっていく。看護介入は、平成24年度9月まで実施し、その結果をうけて最終版の看護ケアプログラムの完成につなげていく。
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