研究課題/領域番号 |
22592624
|
研究機関 | 日本赤十字看護大学 |
研究代表者 |
武井 麻子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70216836)
|
研究分担者 |
小宮 敬子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (70288067)
鷹野 朋実 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (00409799)
堀井 湖浪 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (40520763)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | 精神看護学実習 / 感情知性 / 指導ニーズ / 否定的感情 / 受容 / 言語化 / グループダイナミクス |
研究概要 |
本研究は、精神看護学実習における学生の感情知性の育成に向けた指導モデルの作成を目的として、卒後3年以内看護師10名への学生時代の実習体験に関するインタビュー調査、学生126名への質問紙による実習評価、実習指導者8名と教員10名への実習指導の困難さについてのインタビュー調査、実習指導者・教員・研究者を交えて「実習指導の困難さと面白さ」をテーマにパネルディスカッションを行った。その結果、学生が患者とかかわる中で否定的感情を自覚し言語化することの難しさや否定的感情へのタブー意識が明らかになり、学生の指導ニーズとして、自分のありのままを受け入れてくれる「受容」、感情体験の言語化を助ける「言語化への支援」、「学生グループへの支援」が挙げられた。プロセスレコードは学生の自己理解を深め、かかわりを振り返るのに有用と評価された。一方、実習指導者は学生に対して「患者に対する反応や感情が掴めないこと」、「指導に対する手応えが得られにくいこと」に悩み、「否定的感情を抱くことへの恐れ」を抱いていた。また教員との関係で、「指導に対する責任の曖昧さ」を感じていた。教員は、学生の感情体験は推測できるものの、「学生が助けを求めてこないこと」に悩み、学生が感情を言語化しなかったり逆に激しい感情を見せたりすると、「学生の感情をどう取り扱うか」、「その出来事を指導やかかわりにどう生かすか」に困難さを感じていた。また、「教育上の効果と臨床側の指導方針とのジレンマ」もあった。指導が有効だったのは、「学生の感情体験に関心を示して直接話し合う場を作る」、実習指導者と教員とが協力し、「学生グループのダイナミクスを活用して感情の自覚や表現を促す」かかわりだった。学生の感情知性を育成する上では、臨床側と教育側の有機的連携と、実習指導者・教員自身の感情知性の向上のほか、グループダイナミクスの理解が不可欠であることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|