今年度は、支援者を通して、インタビューや事例検討会などの内容をとして、未治療・治療中断者へのケアプラグラム案(ケアの指針案)の改訂を実施した。支援対象者や家族等からも評価を得ていく予定であったが、了解の得られる該当者が得られなかった。、 ケアプログラム案(ケアの指針案)の骨格は、①対象者に対する支援の必要性のアセスメント、②信頼関係の構築を目指した、対象者への能動的な働きかけの実施、③受療やサービスに繋げる支援の提供、である。①については、未治療や中断を繰り返す対象者および家族の特徴をよく理解してアセスメントをしていく必要と、本人の病状や年齢、家族の相談する力、関係機関の有無などによって支援の必要性の程度(緊急介入が必要なのか、或いは待ちでよいのか)をアセスメントしていく必要がある。②については、未治療・中断者の場合には、受療やサービスの導入支援と併行或いは先だって対象者との「関係づくり」に向けての支援をしていくことが必要となり、支援者側からの一定の頻度での働きかけが求められる。そして、対象者にとって非侵入的な方法で、本人や家族の困っていることをまず把握することに配慮しながら、訪問時間や場所、同行者、手段、訪問頻度などを工夫していく。このプロセスでは、相手から訪問を拒否されたり、罵倒されたりと事例に立ち向かうことが困難になる状況もあるが、そこを持ちこたえるのは、本人の言動や行動、状況に対する的確なアセスメント(なぜ、今対象者はそのような行動をとっているのか)、短・長期の見通し、チームアプローチ、助言やCCなど支援者へのサポート体制などを得られることが必須である。③については、非常に関係性が途切れやすい対象者への特性を配慮し、医療・サービスとの繋がりを促進するケアを提供していく必要がある。
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