研究課題
肉腫細胞をそれぞれ左後肢座骨神経周囲および左後肢膝蓋骨に移植する事により、肉腫性癌性疼痛および骨肉腫性癌性疼痛といった2種類の異なった癌性疼痛モデルマウスの作成を試みた。肉腫細胞の移植により肉腫および骨肉腫といった癌を発症させることに成功したが、その癌性疼痛を安定して測定できる実験条件の確立には未だ至っていない。癌細胞の増殖が強すぎると、一次知覚神経が破壊されてしまい痛覚麻痺が起こってしまうのが原因である。現在、移植する癌細胞の量や移植時のコンディションを変えることにより、安定して癌性疼痛を測定できる実験条件を設定中である。μ受容体DNAの各exonに選択的なアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドを用い、麻薬性鎮痛薬およびdermorphin N末端テトラペプチド誘導体の脊髄鎮痛作用に関与するμ受容体スプライスバリアントの特定を試みた。麻薬性鎮痛薬であるmorphine、 fentanylおよびoxycodoneは、共にexon-1あるいはexon-4を含有するスプライスバリアントを介して鎮痛作用を発現するが、oxycodoneのみはさらにexon-14含有スプライスバリアントをも介して鎮痛作用を発現することが明らかとなった。一方、dermorphin N末端テトラペプチド誘導体TAPA、 TAPS、 amidino-TAPAは、同様にexon-1あるいはexon-4を含有するスプライスバリアントを介して鎮痛作用を発現するが、TAPAとTAPSの鎮痛作用はexon-13含有スプライスバリアントをも介して発現するのに対し、amidino-TAPAの鎮痛作用はexon-12、 exon-13あるいはexon-14含有スプライスバリアントといった多様なスプライスバリアントをも介して発現することが明らかとなった。
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