研究課題
基盤研究(C)
本研究では脊髄疼痛伝達機構における angiotensinII (AngII)の役割を解明することを目的に、 AngIIをマウスの脊髄クモ膜下腔内へ投与し、行動及び分子薬理学的見地から検討を行った。その結果、AngII (3 pmol) により scratching、biting、licking などの疼痛関連行動が誘発された。AngIIタイプ 2 (AT2)受容体拮抗薬 PD123319 はこの Ang II誘発性疼痛関連行動を抑制しなかったものの、 AT1 受容体拮抗薬 losartan は用量依存的な抑制効果を示した。次いで、 AngII誘発性疼痛関連行動に対する各種 MAPK の関与を検討したところ、 p38 MAPK 阻害薬 SB203580 は疼痛関連行動を有意に抑制した。また、脊髄背側部において AngIIはp38 MAPK のリン酸化を引き起こしたが、このリン酸化もまた losartan により抑制された。以上より、AngIIは AT1 受容体を介し、p38 MAPK を活性化して疼痛関連行動を引き起こしていることが示唆された。
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