研究概要 |
目的:神経因性疼痛の発生機序に交感神経の関与が指摘されている.即ち,「末梢神経傷害が交感神経節後細胞の発芽を誘起し,その軸索が脊髄後根神経節神経細胞(DRG神経細胞)に到達している」という事実が報告されている.本研究では,「交感神経終末から放出されたノルアドレナリン(NA)がDRG神経細胞に作用することで神経因性疼痛が発生する」と仮説を立て,神経因性疼痛の発生に関与している可能性がある「熱感受性の新規Kチャネル(K_<heat>チャネル)」に対してNAがどのように作用しているのか,について検証する。本年度は,先ずK_<heat>チャネルの発現量について調べることが目的である. 方法:K_<heat>チャネルを発現している小型のDRG神経細胞を単離・培養し,単一のDRG神経細胞における「K_<heat>チャネルの発現量」について,パッチクランプ法を用いて電気生理学的に測定・検証した.「K_<heat>チャネルの発現量」は「単位細胞膜面積当たりにおけるK_<heat>チャネル電流量」で評価した. 結果:1)対照動物を用いてK_<heat>チャネルの発現量の解析を行った.2)熱刺激に対して反応するDRG神経細胞は,(1)TRPV1受容体チャネルのみを発現するもの,(2)K_<heat>チャネルのみを発現するもの,(3)TRPV1受容体チャネルとK_<heat>チャネルの両方を発現するもの,の3種類に分類できた.3)それぞれを発現している細胞の割合を調べたところ,(1)約5%,(2)約40%,(3)約55%,であることが判明した.
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