研究課題/領域番号 |
22601001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐々木 亨 北海道大学, 文学研究科, 教授 (80292308)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ミュージアム / 博物館 / 公立文化施設 / 評価 / 評価パッケージ |
研究概要 |
平成24年度は、以下の(1)と(2)を実施することを計画した。 (1)「評価パッケージ」の提案:①平成22~23年度において評価活動の実態調査をした公立ミュージアム等のスタッフの中から、「評価パッケージ」検討メンバーを組織化すること。②評価活動の先進分野であるODA評価活動経験者からの協力を仰ぐこと。③「評価パッケージ」に関する具体的な検討作業。④併せて、「評価活動継続のための支援体制」、「支援体制を支える資金の仕組み」の検討 本研究の後半(H24~25年度)において実施する「評価パッケージ」の検討・提案・試行を支援する組織に関しては、公立ミュージアムスタッフ3名、自治体職員1名から協力を得て体制を作ることができた。また、民間のODA評価活動経験者(コンサルタント)からも協力を仰ぐ体制を整備できた。「評価パッケージ」を導入するミュージアムとして、東近江市博物館グループ(滋賀県東近江市立の能登川博物館、近江商人博物館、西堀榮三郎記念探検の殿堂の3館を統括する組織)、三重県総合博物館(H26年4月開館予定/旧三重県立博物館)の2組織から了解を得た。 東近江市博物館グループにおいては、「評価パッケージ」を検討する前提となる、3館から成るグループとしての使命・目標の策定、「評価パッケージ」の検討を行った。三重県総合博物館では、使命・目標の策定まで行った。なお、H26年度の開館時から、「評価パッケージ」が運用できるようにする予定である。併せて検討する予定であった「支援体制を支える資金の仕組み」については、着手できなかった。 (2)学会での研究成果発表など:雑誌論文1本、学会等での発表2回、図書1冊の業績を残した。特に学会等での発表においては、広くミュージアム関係者に「評価パッケージ」の重要性をアピールすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「評価パッケージ」を導入するミュージアムの1つである東近江市博物館グループについては、平成24年度中に「評価パッケージ」の検討を終了し、今後はその確定と試行に移行する予定である。しかし、もう1つの三重県総合博物館は、「評価パッケージ」を検討する前提となる使命・目標の策定までしか完成できず、「評価パッケージ」の検討はH25年度となったため、(2)とした(なお、同館はH26年4月に開館予定であり、本研究期間中に試行はできない)。 また、併せて検討する予定であった「支援体制を支える資金の仕組み」については、本研究期間中においては着手できないと考えるため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、最終的には、ミュージアム評価の導入が全国的に進み、その運用が定着することを目的としている。そのため、次の2つのことを今後の研究の推進方策とする。 ①東近江市博物館グループに関しては、「評価パッケージ」を検討する前提となる使命・目標の策定から、「評価パッケージ」の検討・提案、さらにその試行までを一貫して行う予定である。そのため、他のミュージアムにとってのベストプラクティスとなるように、全経過を詳細に記録し、併せて広く公開することを目指す。 ②「評価パッケージ」を導入するミュージアムが滋賀県と三重県に所在しているため、今回「評価パッケージ」の検討・提案・試行を支援する組織のメンバーは、静岡県、三重県、大阪府在住であった。本研究終了後も、目的達成に向けて組織を維持し、さらにいくつかの別組織を生み出せるように発展させる。
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