本年度は、当該コレクション所蔵機関である静嘉堂文庫の指示を尊重し実施することを基本として基礎資料整理を実施した。具体的には、木箱、収納箱を含め約400点の資料化(実測・写真撮影・スキャニング等)を実施。 上半期(5月~9月) 静嘉堂文庫にて、写真撮影作業・資料化を実施し、研究実施計画に示したとおり、ほぼ予定通りの作業時間を割り当てることができ、約150点の資料化が適った。文献調査で特に重点をおいたのが、松浦コレクションと静嘉堂文庫を結ぶキィーパーソンである柏木貨一郎の同行に関して追求し、文献渉猟に努めた。また、三浦泰之氏(研究協力者)より松浦コレクションに関連する文献情報を提供頂いた。7月には、國學院大學において、松浦コレクションについての情報を共有する意味で、笹木義友・三浦泰之(北海道開拓記念館)、山本命(松浦武四郎記念館)交え研究会を開催。 下半期(10月~3月) 下半期についても、写真撮影作業・資料化を実施し、約200点の資料化が適った。特に武四郎肖像写真に写る「大首飾」のデジタル化を実施した。総数243点の勾玉・管玉・切子玉などで構成されるため、極めて手間のかかる作業であった。関連史料・情報調査:文献渉猟、研究内容に応じ必要な情報については随時収集に努め、ある程度整理することができた。11月には三重県松阪市所在の松浦武四郎記念館収蔵資料の調査を実施した。特に静嘉堂文庫松浦コレクションと関連する器物を中心に約30点の資料化を実施させて頂いた。3月には、北海道開拓記念館で開催されたフォーラム「松浦武四郎」(3月13日開催)に先立ち、合同で、研究会(3月12日)を開催。 資料の科学分析については、(株)パリノサーヴェイに委託し、特に資料的価値の高いヒスイ勾玉6点につて蛍光X線分析を実施した。以上、本年度は主に松浦コレクション整理・公開の基礎固めを中心に研究を実施した。
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