研究課題/領域番号 |
22601009
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
内川 隆志 國學院大學, その他部局等, 准教授 (80176677)
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キーワード | 松浦武四郎 / 静嘉堂文庫 / 岩崎彌之助 / 勾玉 / 大首飾 / 好古家 / 柏木貨一郎 / 撥雲余興 |
研究概要 |
平成22年度に引き続き資料の実測、デジタルトレース等の基礎資料整理作業を実施した。目標であった約350点の図化をほぼ修了することができた。デジタルトレース作業の完成率は約80%に留まったものの概ね満足できるものとなった。 関連文献収集については特に静嘉堂文庫との関わりの中で、柏木貨一郎関係の収集に力点を置き、これまでの博物館史に漏れている幾つかの貴重な文献、関連情報を得ることができた。本資料の箱書き、付随文書の翻刻もほぼ修了し、松浦武四郎の著書『撥雲余興』『撥雲余興二集』所載資料などに登場する人物との関係について一部ではあるが研究成果をあげることができた。 資料調査は、研究推進上必要な資料情報収集のため福岡市立埋蔵文化財センター、宮崎県西都原考古博物館、熊本市花岡山周辺調査を実施し様々な有益な情報を収集することがかない、特に『撥雲余興』に出土推定地が記載されている熊本市花岡山では具体的に出土場所を確定することができた。 研究会は2回(7月・3月)実施した。所有者の静嘉堂文庫関係者、研究協力者の発表を加え、松浦武四郎の古物収集の実態や、古物をめぐる同好者のネットワーク等について有益な情報を共有することがかなった。具体的な内容は以下のとおり。内川隆志・村松洋介「静嘉堂文庫所蔵 古墳時代の青銅器関連資料について-」・宇野淳子「松浦武四郎と柏木貨一郎」・三浦泰之「『撥雲余興』にみる松浦武四郎のネットワーク」・山本命「武四郎の古物収集」。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度の目標であった約350点の基礎資料化(図化。デジタル情報化)に関しては、ほぼ満足のいくものであった。関連情報の収集、資料調査についても比較的順調に行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度終了時点で基礎作業全体の約70%が終了しており、可能な限り上半期で終了させ、下半期は関連情報収集と平行して最終報告『静嘉堂文庫所蔵松浦武四郎旧蔵古物調査研究報告』の編集に集中する予定である。 また、下半期に学会発表後、論文投稿を予定し、年度末には最終報告会「近代初期における人文資料形成史の研究-松浦武四郎と古物蒐集をめぐる人々」を開催する予定。
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