• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

アミロイドβの毒性オリゴマー特異的なRNAアプタマーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22603006
研究機関京都大学

研究代表者

村上 一馬  京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (80571281)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードアミロイドβ / アルツハイマー病 / オリゴマー / 核酸アプタマー / ジアミノピペリン酸 / Huisgen反応 / 白金 / プロドラッグ
研究概要

アルツハイマー病(AD)の原因物質と考えられている42残基のアミロイドβペプチド(Aβ42)は,凝集することによって神経細胞毒性を示す.近年,凝集中間体であるオリゴマー(特にダイマー)が認知機能低下を誘導する真の毒性本体として受け入れられている.このことから,Aβ42ダイマーの機能解析とともにそれを標的とした阻害剤の開発が強く望まれている.本研究は,DNAアプタマーの特異的な結合能に注目し,Aβ ダイマーを合成し、それを標的としたDNAアプタマーの開発を目的としている.
昨年度までに,Huisgen [3+2] 環化反応(クリックケミストリー)を用いて,凝集活性に影響のないLys28残基で架橋したAβ42ダイマーを合成したが,DNAアプタマーのセレクション時に使用するトリスバッファー中で,Aβ42ダイマーは短時間で凝集して線維(フィブリル)化してしまうことがわかった.そこで,再度,戦略を立て直し,Aβ42の毒性発現に必要な部分配列であるAβ10-35を用いてダイマー化させることにした.架橋反応には前々年度に用いたジアミノピメリン酸をリンカーとした手法を用いることによって,収率の増大を試みた.しかしながら,この場合でも凝集してしまったことから,C末端側を36番目まで1残基伸ばしたAβ 部分配列を用いたところ,少なくとも24時間以上,安定であった.現在,DNAアプタマーの取得のためのDNAライブラリーの作製を終えたところであり,今後の展開が期待される.
以上の成果に加えて,共同研究として,新しいAβ42オリゴマー化阻害剤を開発した.プロドラッグとして設計したキノリン骨格を有する4価の白金化合物は,生体内における代謝作用によって2価の活性型に変換された.そこで,4価の白金化合物をADモデルマウスに胃内強制投与したところ,脳内のオリゴマー形成およびシナプス毒性が顕著に緩和された.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Development of a platinum complex as an anti-amyloid agent for the therapy of Alzheimer's disease2013

    • 著者名/発表者名
      Vijaya B. Kenche
    • 雑誌名

      Angewandte Chemie International Edition

      巻: 52 ページ: 3374-3378

    • DOI

      10.1002/anie.201209885

    • 査読あり
  • [学会発表] SOD1の減少はアルツハイマー病様病態を早期に発症させる

    • 著者名/発表者名
      清水孝彦
    • 学会等名
      第12回日本抗加齢医学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
  • [学会発表] アミロイド β ペプチドの毒性ターン構造の同定とその構造特異抗体の開発

    • 著者名/発表者名
      村上一馬
    • 学会等名
      第47回天然物化学談話会
    • 発表場所
      阿蘇プラザホテル(熊本)
  • [学会発表] CuZn-SOD loss accelerates the formation of amyloid β oligomer and memory impairment in Tg2576 mice

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Murakami
    • 学会等名
      Alzheimer's Association International Conference
    • 発表場所
      Vancouver Convention Center (Canada)
  • [学会発表] 酸化ストレスに着目したアミロイドβペプチドの神経細胞毒性発現機構

    • 著者名/発表者名
      村上一馬
    • 学会等名
      農芸化学奨励賞受賞講演
    • 発表場所
      電力ホール(仙台)
  • [学会発表] ビタミンCにおるアルツハイマー病態緩和

    • 著者名/発表者名
      村上一馬
    • 学会等名
      2013年度日本農芸化学会大会
    • 発表場所
      東北大学川内北キャンパス(仙台)
  • [備考] 京都大学教育研究活動データベース

    • URL

      http://kyouindb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/zP8kX

  • [備考] 京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻生命有機化学分野ホームページ

    • URL

      http://www.orgchem.kais.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi