研究課題/領域番号 |
22603011
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
早川 洋一 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20208606)
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キーワード | 生合成 / チオアミド / メチレン架橋 / Streptomyces / hatomarubigin / thioviridamide |
研究概要 |
Hatomarubigin生産菌Streptomyces sp. 2238-SVT4におけるhatomarubigin生合成遺伝子クラスターのうち、hrbR1からhrbXの領域をStreptomyces lividansにおいて発現させると、hatomarubigin A~Cを生産する。残る領域のうち酸化還元酵素遺伝子と相同性を有するhrbYを加えた遺伝子をS. lividansで発現させると、hatomarubigin Dの生産が確認された。したがって、hrbYをhatomarubigin Cメチレン架橋遺伝子と同定した。さらに、残るhrbZ1およびhrbZ2をそれぞれhrbYと置換したプラスミドを用いた実験において、hrbZ1導入株にもhatomarubigin D生産能が認められ、hrbZ1もメチレン架橋遺伝子として機能することが明らかになった。次に、メチルトランスフェラーゼと相同性を有することから、メチレン架橋に関与する可能性が考えられたhrbFの破壊を行った。hrbFを除くhrbR1~hrbX+hrbY発現プラスミドを導入したS. lividansにおいてもhatomarubigin Dの生産が確認され、hrbFはメチレン架橋に関与しないことが示された。 Thioviridamide生産菌Streptomyces olivoviridis NAO5001のゲノムDNAのコスミドライブラリーを用い、挿入DNA末端の塩基配列を解析することにより、新たに3個のNRPS遺伝子を同定した。このうち、2個のNRPS遺伝子は既存のNRPS遺伝子(NRPS1)とクラスターを形成していることが判明し、もう1個のNRPS遺伝子は、既存の6個のNRPS遺伝子とは独立して存在することが明らかになった。このうち、3個のNRPSを含む生合成遺伝子クラスターは、その前後にNRPS遺伝子とは異なる遺伝子が連続していることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたNRPSのアミノ酸保存配列を利用したPCRでは、目的のthioviridamide生合成遺伝子が増幅できず、コスミドライブラリーを用いたNRPS遺伝子同定に方針を切り替えたため、thioviridamide生合成遺伝子の取得が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
Thioviridamide生合成遺伝子の候補であるNRPS遺伝子が複数得られているので、これを手掛かりにthioviridamide生合成遺伝子クラスターを取得し、塩基配列情報を利用してチオアミド生合成遺伝子を同定する予定である。
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