研究課題/領域番号 |
22605002
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
菅原 勝康 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (60154457)
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研究分担者 |
望月 友貴 秋田大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 博士研究員 (90546087)
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キーワード | 光学ガラス / レアメタル / 研磨粉 / 塩化揮発 / 炭素還元 |
研究概要 |
日本の先端産業を支える光学レンズの製造では、光学ガラスの主成分であるレアメタルの約8割が、切断や研磨といった製造過程で廃棄されている。本研究では、塩素化ならびに炭素還元による揮発反応を用いた乾式法により、光学ガラスの研磨粉や切断片から低エネルギーかつ簡単な工程で、レアメタルを元素毎に分離回収し、原料として再利用出来るプロセスを開発することを目的とした。 研磨粉ならびに切断片を塩素気流中、最高温度200-1000℃で加熱した時のランタン、ガドリニウム、ニオブ、タンタルならびに共存元素であるチタン、ジルコニウム、亜鉛の塩化揮発挙動を詳細に追跡した。試料に炭素を添加すると、ランタンおよびガドリニウム以外の元素の揮発が促進され、1000℃までにそれらの全量が気相中に揮発した。ランタンおよびガドリニウムは、およそ800℃から僅かに揮発し始めるものの、1000℃までに2-3%の揮発率に留まった。700℃にて120分加熱したところ、タンタル及びニオブの全量を揮発することが出来、ランタン及びガドリニウムとの分離が可能であった。さらに1000℃にて120分加熱すると、ランタンの70-95%が揮発するが、ガドリニウムの揮発率は20%と低い値となった。これらの実験結果をもとに、光学ガラス研磨粉や切断片に炭素を添加し、塩素気流中で500、700、1000℃と三段階に分けて加熱することにより、レアメタルを分離回収するプロセスを考案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
光学ガラスに含まれるレアメタルならびに共存元素を、揮発並びに群分離できる反応条件を今年度中に見いだすことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
レアメタルの揮発反応速度に及ぼす反応条件の影響を明らかにし、精度の良いレアメタル分離回収プロセスを提案する。
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