本年度は、3年間の継続研究の初年度であることから、研究の目的にある日本全国にある冒険遊び場の基本的情報の整理を行うとともに、継続的に調査対象地として設定している「千葉市子どもたちの森公園」にてフィールドワークを進め、今後の実証実験として検討している遊具設置のための取り組みを進めた。取組では、利用者の中心である子どもに対して、ワークショップを実施し、遊具に求めるイメージを喚起させ、積極的な参加を促すことができた。また運営者との議論に時間をかけ、地域で共用する公園家具としての遊具のあり方について基盤となる認識を共有することができた。 また、関東近郊、および東北の先進的な取組を行っている冒険遊び場の運営スタッフを対象としたインタビューを行い、冒険遊び場における遊具の求められる意味についてM-GTA手法を利用した詳細な分析を行った。今後の協力体制も構築し、実証実験の場の提供を得て次年度以降に実施する予定である。 さらに、「千葉大学付属特別支援学校小学校部」において、障害がある子どもが、公園などのオープンスペースで遊びを展開するための知見を得るため、仮設の遊具空間を構築し、実証実験を行った。これらでは、公園で地域の様々な立場の利用者が、共に積極的に利用することができる可能性を見いだすことができた。 3年間の研究の初年度と言うことで、様々な可能性の幅を広げ、次年度以降につながる手がかりを着実に得ることができた。
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