研究課題/領域番号 |
22610003
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
原 寛道 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30361413)
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キーワード | 冒険遊び場 / 多様な立場の参加 / 特別なニーズ / 利用者参加ワークショップ |
研究概要 |
本年度は、3年間の継続研究の2年目であることから、研究の目的にある日本全国にある冒険遊び場の基本的情報の整理を行うとともに、継続的に調査対象地として設定している「千葉市子どもたちの森公園」を足がかりにほかの冒険遊び場の調査を進めた。特に本研究の目的である冒険遊び場の価値を一般的公園で生かすという観点から、市川市の任意団体でしないで冒険遊び場の常時開設を目指している「市川子どもの外遊びの会」と協同して実行調査を行った。この団体との協同的関わりは継続的に行うことは、日本の冒険遊び場の特徴である常設を目指す仮設的な試行を繰り返す状況に一致するため、非常の有意義な実証調査となると考えている。 また、日本国内の冒険遊び場の事例調査を進める中で、特別なニーズがある子供たちが参加しづらい状況が明らかになり、地域で多様な立場の子供が関わることが重要な公園において新しい可能性を見いだすことになった。そこで、高度な福祉国家であるスウェーデンの統合保育園において外遊びという身体的な障害が特に大きなハンディとなる状況下で、多様な立場の子供がどのように協同して遊ぶことができるのかを明らかにする実証的調査を行った。 上記2つの試みにおいて、参加する子供が自分の能力の範囲で自分の遊ぶ空間を作るということを遊びの中で行うことが非常に有効であり、これは冒険遊び場の基本理念としてある「自分の責任で自由に遊ぶ」に含まれる強い主体性とも一致することが明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
活動に関わりながら実証実験として開発家具の試作を繰り返していくという性格から、対象とする活動団体との段わりが非常に重要である。この点においては、当初予定していなかった新しく活動を開始した団体と深く関われていることは大きな進展である。一方、この活動に関わることに時間を割いてしまったことで研究発表のまとめに時間がかかっていることが若干の遅れとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初、冒険遊び場について網羅的な情報性を視野に入れていたが、現場の状況から判断し、網羅的な情報はほとんど活用されないことが明らかになってきた。いっそう実践的な知見が必要とされており、これまで蓄積してきた活動諸団体との関係を生かしながら、実践を繰り返すことでその知見をまとめて、発表をしていきたい。
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