研究概要 |
本研究の目的は,コンピュータ上で行う親子で行う物語作り(デジタルストーリーテリング)を通して,家族内コミュニケーションを活性化する環境をデザインすることである.家庭の教育力の向上支援を念頭に,物語作りを通じて家族内コミュニケーションの機会を充実させていく.その方法として情報通信技術(ICT)の適切な支援環境を活用し,絵本の読み聞かせでは実現しえなかった効果的なコミュニケーションを支援することを目指している. 平成23年度は,前年度明らかにした要件をもとに、家族内コミュニケーションの支援活動のデザイ・ンと評価のための実験を行なった.具体的には,子どもの発達は家族システムに埋め込まれており,子どものNarrativeもまた,家族が日常語り合うFamily Narrativeに影響されるという.本研究では,子どもに影響があるとされる家族のNarrative(家族ナラティブ)を支援することにし,その実現方法としてデジタルストーリーテリングの活動を提案する.語り手にとって物語や体験がどういう意味があるのかを深く考え,意義があるとされるこの活動を援用し,家族として意味,意義について深く考えていく活動をデザインした. 実験は、募集に応じた14組の家族を対象にワークショップの形式にて行なった。デジタルストーリーテリングでは、未来の子ども贈るという設定のもと、ビデオレターを作成した。活動の参加前と後で、家族ナラティブがどのように変化したか分析するためのデータを収集した。現在は、データ分析とともに、結果を論文化する作業を行なうている。
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