研究課題/領域番号 |
22610008
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
郷間 英世 京都教育大学, 教育学部, 教授 (40234968)
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研究分担者 |
小谷 裕実 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (10294266)
池田 友美 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (70434959)
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キーワード | 子どもの発達 / 発達の遅れ / 発達のアンバランス / 描画発達 / 発達障害 / 環境要因 |
研究概要 |
現代の日本の子どもの発達について、1)最近50年間の発達の検討、2)外国の子どもとの比較、3)社会性の発達の指標の作成と子どもの評価、について行っている。1)では、発達検査の標準化資料をもとに検討した。その結果、1950年代から1980年年代は子どもの発達が促進した時代、1980年から2000年代は子どもの発達が遅延、そしてアンバランスになっている時代であった。項目別では、「折り紙」や「硬貨の名称」は1954年から2001年へ持続的に遅延し、逆に「色の名称」は1954年の6歳が2001年に3歳3か月へと顕著に促進した。以上より、我が国の幼児の精神発達は大きく変化していることが明らかになり、結果の統計学的分析よりこれらの発達の変化は子どもの一部でなく全体の変化であることが示唆された。また、これらの子どもの発達の変化は、最近の発達障害の増加との関連が推測された。その成果は国際学会などで発表した。2)では、文献調査により、1980年代のIllingworthの子どもの発達に関する書物でも、2004年版のNelson Textbook of Pediatricsでも、幼児の発達に関しては1940年代のGesellの研究成果が用いられており、子どもの発達は基本的には変化しないと考えられていることがわかった。上記1)の結果はこれに反するもので、次年度の検討課題である。また、海外の子どもの発達研究として、ナイジェリアの子どもの生活習慣、描画発達の調査を行った。結果は分析中である。3)に関しては、幼児の社会性や行動の発達のチェックリストを作成し、子どもへの適応が可能かどうかの予備調査を行った。次年度から子どもの精神発達や描画発達、環境要因との関連に関する調査に使用する予定である。
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