本研究は、少子化・高齢化・過疎化・地域コミュニティの変容・犯罪不安・災害不安などの課題を持ちながらも、「住民主体のまちづくり」の機運が高まっている和歌山市中心部および周辺地域において、子どもの居場所に焦点をあて、子どもの健全な育成(子育て・子育ちの場)・地域教育力の向上・地域防犯安全性・地域防災性能の向上を一体的に推進するための「子ども環境づくりの指針」を導き出すことを目的としている。 平成24年度は、和歌山市中心部を対象として、以下の調査・分析を行った。1.子育て安心マンション事業に関する調査・分析。2.子育て支援施策・施設・プログラムに関する調査・分析。3.子育て支援環境としての「居場所」、およびそこでの「場所構築行動」に関する調査・分析。4.子育て支援施設とそれを支える地域環境資源の関係に関する調査・分析。 平成24年度に得られた研究成果は、以下の通りである。1.子育て安心マンション事業の概要を把握し、自宅付随の子育て支援環境に関する現状と課題を抽出した。2.和歌山市の子育て支援施策・施設・プログラムの概要を把握し、和歌山市中心部の子育て支援環境の現状と課題を抽出した。また、和歌山市中心部における子育て・子育ちの場と子育て支援施策・施設・プログラムの関係を把握し、地域における子育て支援環境の現状と課題を抽出した。3.和歌山市中心部における子育て支援環境としての「居場所」「場所構築行動」とサードプレイス、地域固有性、地域環境資源などとの関係の分析を通して、教育福祉施設・居住施設・地域環境に関する建築計画的知見を得た。4.各種教育福祉施設の連携と融合、コミュニティセンターのあり方、地域環境資源の利活用などに関する設計提案を行った。 今後は、平成22~24年度に行った子どもの居場所を支える地域環境に関する研究成果を総括し、論文作成・投稿を行う。
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