研究概要 |
胎児期から幼児期までの食生活や生活習慣について研究を行い適正体格の獲得とアレルギー疾患との関連について検討することを目的としている。 平成23年度はコホート調査として,平成21年度に妊娠届提出時に妊婦を対象としてアンケートに協力した方の児を対象に,3歳6ヶ月児健診までの追跡調査への協力を依頼し,同意確認を行った。現在426名中374人から同意を得,同意確認が終了した。児の成長に伴い,4ヶ月児健診,10ヶ月児健診,1歳6ヶ月児健診においてアンケート調査を行った。 後ろ向き調査として,3市町の協力を得て,3歳6ヶ月児健診において,保護者を対象に除去食療法の実施状況と母子手帳を利用し,出生時からの各健診の身長・体重に関するアンケート調査を実施した。各市町で300人ずつを予定し,平成24年3月までに1132名に配布し,890名から回収した(回収率79%)。その内,早産児,多胎児,データ不備(性別と除去食療法実施の有無,出生日が未記入)を除く男児387名,女児413名,合計800名(71%)を有効回答とした。3歳6ヶ月児健診時点で除去食療法非実施群710名(89%),実施終了群56名(7%),実施中群34名(4%)であった。実施終了群と比較し実施中群は除去の対象食品の品数が有意に多く(p=0.004),卵と牛乳の除去食療法実施期間が有意に長かった(p<0.001,0.003)。3群で出生体重,乳児健診前期・後期,1歳6ヶ月児健診,3歳6ヶ月児健診時の身長,体重,体格を%タイル値で比較したところ,実施中群において1歳6ヶ月児健診時の体重%タイル値(p=0.046),3歳6ヶ月健診時の身長と体重の%タイル値(p=0.03,0.04)が有意に低値であった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに調査が終了している妊婦の体格や生活習慣と出生児の関連について,また3歳6ヶ月児健診において行った,除去食療法と児の体格の関連についての後ろ向き調査について,解析・発表を行う予定である。出生児のコホート研究は引き続き1歳6ヶ月児健診,3歳6ヶ月健診における調査を予定している。
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