研究課題/領域番号 |
22610019
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
小池 孝子 日本女子大学, 家政学部, 助教 (50508778)
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研究分担者 |
定行 まり子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (80235308)
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キーワード | 集合住宅 / 保育所 / 屋外共用空間 |
研究概要 |
前年度に引き続き、東京都内の自治体に対し、集合住宅開発にかかる条例.指導要綱において、広場の整備や保育所・学童保育所など子どもの増加により必要となる施設の設置を促す施策実施状況についてヒアリング調査を行った。 特別区および市部の34自治体の住宅開発に係る条例や指導要綱で、子育て支援施設の整備規定があるのは26自治体、現在までにそのうち13自治体において計画中を含め25保育所、6学童保育所の整備実績がある。そのうちから保育所14施設、学童保育所4施設の計18施設を抽出し、子育て支援施設と地域住民の双方が利用可能な公開スペースについて施設長へのヒアリング調査および利用実態調査を実施した。その結果、公開スペースが子どもの遊び場として利用されるために有益と考えられる要因として、オープンで近隣住民が入りやすい計画になっていること、遊具や遊具の代わりになる設置物があること、衝撃を吸収する床材が使用されていることの3点を見出したほか、前年度調査で明らかになった、居住者が施設の公開スペース利用を禁止するルールを設置する場合の要因として、音の問題が大きいこと、特に中庭型にその傾向が強いことを見出した。 また、計画的に子育て支援施設を配して開発された多摩ニュータウン内の諏訪・永山地区において、保育所3園、幼稚園2園を対象として団地内における園外保育の実態調査を実施した。その結果、団地内の緑豊かな自然環境が保育者および保護者より評価を受けていること、園外保育を日常的に実施しているのは保育時間の長い保育所のみであるが、幼稚園においても年間プログラムとして積極的に活用されていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って進展しているが、調査対象となる施設を洗い出すための予備調査として実施したアンケート調査の結果からは、調査対象とすべき事例がそう多くないことが判明したため、現在のところ限られた事例に対する調査となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿って、引き続き調査対象とすべき事例を探すとともに、既に実地調査を実施している施設についても季節の変化などを考慮に入れ、継続的に調査を実施する。
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