研究課題/領域番号 |
22610020
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
山本 伊佐夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (30277917)
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キーワード | 舌喉頭偏位症 / 舌喉頭矯正術 / 幼児虐待 / 夜泣き / 育児ストレス / 社会医学 |
研究概要 |
CGLを希望して来院した乳児の母親に対し術前後の7日間、睡眠、蹄泣等生活記録を記入してもらい舌癒着症状についてのアンケート調査を行なった。児の1日の平均睡眠時間は術後増加し、蹄泣時間は有意に減少した。夜間の最長睡眠時間、最短睡眠時間は術後有意に増加し、総蹄泣時間、最長蹄泣時間および蹄泣回数は有意に減少した。術後1ヵ月後の母親の観察によると、蹄泣、抱き癖、浅い睡眠がよく改善され、90%の母親は子育てが楽になったと感じていた。 乳児と母親に術前後の約7日間加速度センサーが内蔵された腕時計型アクチグラフ(米国AMI社製)を装着してもらい、回収後、睡眠解析ソフトであるAW2および生活パフォーマンス解析ソフトであるAct-FASTを用いて解析した。CGL後は母子ともに睡眠効率、睡眠潜時、中途覚醒時間に改善がみられた。Act-FASTによる解析の結果、CGL後パフォーマンス曲線の上昇がみられ疲労度減少傾向がみられた。 乳児に術前後、心拍モニターであるアクティHR4を装着してもらい、専用ソフトにより心電図のRR間隔解析、周波数解析(FFT)を行い自律神経のバランスを評価した。術前交感神経優位から術後副交感神経優位への傾向がみられた。 CGLにより呼吸が改善し睡眠が深くなり、児は精神的に安定し夜泣きが減少したものと考えられた。よってCGLは母親の育児ストレスの軽減し、虐待予防としての可能性が示唆された。今後、症例数を増やし検討していく予定である。 活性酸素自動分析装置を用いた酸化ストレスの評価は、採血の了承を得ることが難しく滞っている。音声分析ソフトを用いたCGLの前後の児の泣き声の評価は、解析ソフトの購入が出来なかったため、録音は行ったが解析は未だ出来ていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
活性酸素自動分析装置を用いた酸化ストレスの評価は、採血の了承を得ることが難しく滞っている。 音声分析ソフトが購入できなかったため泣き声の解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
患児の母親に研究内容について十分説明し理解を得る。 平成24年度に音声分析ソフトを購入する予定である。
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