研究課題/領域番号 |
22610021
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研究機関 | 富山国際大学 |
研究代表者 |
大平 泰子 富山国際大学, 子ども育成学部, 助教 (00555188)
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研究分担者 |
北川 信樹 北海道大学, 大学病院, 助教 (80312362)
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キーワード | 子ども / うつ病 / うつ状態 / ライフスタイル / リスク要因 |
研究概要 |
本研究では子どもの抑うつに影響する要因およびうつ病・うつ状態によって派生する問題について明らかにすることを目的として、特に、抑うつに関連するライフスタイルや家庭環境を含めた環境的要因について検討を行っている。これまでに、子どもの抑うつに関する研究動向に関する文献調査を行い、児童・青年期における抑うつ症状および予防的介入についての先行研究を概観するとともに、スクールカウンセラーや教育相談担当教員など学校生活で子どもたちと身近に関わる専門職に聴取し、学校現場においてよくみられる問題やそれらの背景などについて最近の実態について把握した。また、諸外国における子どものメンタルヘルスケアの実態について把握するため、国民の幸福感に関する調査において第一位となっているデンマークをとりあげて視察調査を行った。これらをふまえて、平成23年度は、まず、デンマークの教育現場におけるメンタルヘルスケアの実際についての検討を行った。デンマークの小学校においては、不登校が殆どみられないなど本邦とは問題の現れ方が異なることを把握しえた。また、富山県内の中学校において生徒を対象として開催された認知のゆがみやストレス対処をテーマとしたセミナーに講師として参加し、学校領域における心理教育導入の可能性について検討した。さらに、小・中学生を対象とした質問紙調査の実施に先立って、大学生を対象とした質問紙調査を実施した。結果は解析途中であるが、家庭生活満足度、パソコンでゲームをする時間などいくつかの項目において抑うつ尺度と有意な関連がみられた。今後は、これらの情報を総合的に検討して調査項目を吟味し、小・中学生を対象とした質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抑うつに関連する多様な要因をとらえるために多くの質問項目を研究計画に組み込んでいたが、項目数が多すぎると回答者に負担となり調査実施に協力が得られにくいこと、また、文献調査等の結果から新たに追加したい項目も挙がってきたことから、質問項目を再検討する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
質問項目の取捨選択を行って回答者に負担の少ない質問紙を作成すると共に、各方面に対して調査協力への依頼を進めていく。
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