研究課題/領域番号 |
22610024
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
杉岡 幸三 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (90112127)
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研究分担者 |
谷口 泰造 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70346253)
高瀬 堅吉 東邦大学, 医学部, 助教 (80381474)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 注意欠陥多動性障害 / メチルアゾキシメタノール / 前頭前野 / 海馬 / 多面的行動分析 / 発生学的異常 |
研究概要 |
本研究は、学習、注意また活動性などの機能に深く関与する海馬、および前頭前野の機能不全に焦点をしぼり、ラット胎生15もしくは17日齢(それぞれM15群、M17群)に、神経毒性を有するメチルアゾキシメタノール(MAM)を投与することによって、脳の発生学的形態異常を有するADHDモデル動物を作成し、これらの動物に対して、新生児期から成体期に至る様々な時期に、種々の実験パラメーターを用いた多面的行動分析を行うとともに脳の組織学的分析を行った。得られた結果は、1、M15群は背地走性反射の遅延を、M17群は正向反射の遅延を示し、2、離乳期で、M15群およびM17群の雌ラットがともに多動傾向を示し、3、PPI事態での驚愕反射の程度および刺激先向提示による驚愕反射の抑制の程度を分析したところ、M15群は雌雄とも有意に大きい驚愕反射を示すとともに、PPIの程度は小さく、注意欠陥の傾向を示し、また4、恐怖条件付け後の文脈記憶を凍結行動を指標として分析したところ、M15群は雌雄とも参照記憶の障害を示した。脳の組織学的分析では、1、M15群では皮質および海馬の層構築異常および異所性の細胞集塊が観察され、2、M17群では皮質第II層の発達不全が観察された。また、カルビンジンによる免疫染色を行ったところ、海馬苔状線維の軸索がM15群およびM17群ともに2層性を示した。以上の結果は、ADHDモデルラットとして作成したM15群およびM17群が示した行動学的結果のいくつかがADHD児で観察される注意欠陥・学習障害と類似するとともに、これらの行動異常が脳の皮質(特に前頭前野)および海馬の発生学的形態異常と関係する可能性を示唆するものであり、反射の遅延といった早期であっても行動学的異常を検出することができる可能性を示すものである。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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