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2011 年度 実績報告書

化学発がんにおける思春期の放射線被ばくの影響

研究課題

研究課題/領域番号 22610026
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

甘崎 佳子  独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 研究員 (80435700)

キーワード放射線 / がん / 胸腺リンパ腫 / 環境 / Ikaros / 思春期
研究概要

思春期から成人期前期に発生するがんは、幼児期や成人期後期とは異なるパターンを示すことが分かってきた。本研究では、思春期の放射線被ばくとその後の化学発がん物質ばく露との複合影響について、両者の「ばく露のタイミング(間隔)」に着目し、(1)発がん率や(2)発がん機構がどのように変動するか明らかにすることを目的とした。化学発がんにおいて、過去の放射線被ばくがどの程度後まで影響するか明らかになれば、放射線と化学療法を併用したがん治療における二次がんや、小児期の放射線被ばくと成長してからの化学発がん物質ばく露による影響について、リスク評価・低減化への提案につながると期待できる。これまでの我々の研究から(1)4週齢B6C3F1マウスにX線を照射し3日後から化学発がん物質エチルニトロソ尿素を投与する(0週間隔)と、96%に胸腺リンパ腫(TL)が発生するが、4週間開ける(4週間隔)と60%に低下すること、(2)放射線単独ばく露で誘発されたTLで高頻度(50%)に見られる11番染色体のLOH(Loss of heterozigosity)が、0週間隔のTLでは有意に低い(15%)ことがわかっている。
成果(1)発がん率(22年度):ばく露間隔2週間(2週間隔)のTL発生率は98%、8週間(8週間隔)は70%であった。すなわち2週間隔では発がん率は高いままであること、4週間隔では下がるものの8週間開けても放射線の影響は消えずに残ることが示唆された。
成果(2)発がん機構(23年度):11番染色体のLOH頻度は2、4、8週間隔でそれぞれ35%、45%、45%で、0週間隔(15%)よりも有意に高頻度であったことから、ばく露のタイミングが異なると発がん機構も変動することが明らかとなった。これらの結果を14th International Congress of Radiation Researchにおいて発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、22年度は動物実験を開始した。23年度には得られた胸腺リンパ腫からDNAを抽出し11、12、19番染色体のLOH解析を終了した。現在はRNAサンプルから調製したcDNAを用いてIkaros遺伝子の発現解析を行っている。

今後の研究の推進方策

24年度は、11番染色体にマップされているがん抑制遺伝子Ikarosについて、遺伝子発現解析および突然変異解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effect of the interval period between exposures to ionizing radiation and N-ethyl-N-nitrosourea on the development of murine thymic lymphoma2011

    • 著者名/発表者名
      甘崎佳子
    • 学会等名
      14th International Congress of Radiation Research
    • 発表場所
      ワルシャワ(ポーランド)
    • 年月日
      2011-09-01

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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